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ECモール別イベント活用術|“なんとなく運営”から脱却する購買タイミング最適化戦略

ECモール別イベント活用術|“なんとなく運営”から脱却する購買タイミング最適化戦略

ECモールの運営において、「どのタイミングで売るか」は売上を左右する大きな鍵です。しかし実際には、多くの担当者が日々の業務に追われ、モールごとのイベントや購買特性を十分に活かしきれていないのが現状です。
2025年5月に株式会社クロス・プロップワークスで実施した自主調査では、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングそれぞれに異なる“買われやすいタイミング”が明らかになりました。
本記事では、その結果をもとに、各モールに最適なイベント活用法と販促戦略についてお伝えします。

ECモール運営で成果が頭打ちになる“よくある落とし穴”とは

ECモールを運営していると、日々のルーティン作業にどうしても追われがちになります。商品登録、在庫調整、クーポン発行、SNS告知…やることは山のようにあるため、「売上が伸びないな」と思っても、その原因に目を向ける余裕がないまま、いつの間にか月が終わってしまうことも少なくありません。

特に見落とされがちなのが、「販促のタイミング設計」です。どんなに商品力があり、訴求内容が魅力的でも、それを発信する“タイミング”がズレてしまうと、思うように売上は上がりません。
たとえば、楽天市場では「スーパーSALE」や「お買い物マラソン」に合わせて購買意欲が急激に高まりますし、Yahoo!ショッピングでは「5のつく日」や「PayPay祭」など、毎週何かしらの小イベントが実施されていることも多いのです。

ところが、実際には「なんとなく毎週●曜日に投稿している」「セールはとりあえず月末に組んでいる」というように、“習慣ベース”で販促タイミングを決めているケースも多く見受けられます。これでは、せっかくのセールやクーポンも、ユーザーの買う気とズレてしまい、効果が半減してしまいます。

ECモールにはそれぞれに“買われやすい日”が存在しており、それを知り、活用するだけで、運営効率は大きく変わってきます。今のやり方に限界を感じている場合こそ、「出すタイミング」に目を向けることが重要です。

調査データに見る購買行動の「タイミング依存性」

今回の自主調査から明らかになったのは、ECモールごとに「買われやすいタイミング」が明確に異なるということです。

ECモールを利用するタイミング
たとえばAmazonでは、「必要なときに買う」という購入スタイルが圧倒的多数
全体の61.1%が“必要性”を重視して購入しており、ブラックフライデーやプライムデーといった一部イベントを除けば、日常的に即時購入される傾向が強いといえます。

一方、楽天市場のユーザーはイベント起点で動くケースが多く、特に「スーパーSALE」や「お買い物マラソン」といった大型イベント時に購買が集中します。データでも、45.7%が「スーパーSALE」、33.0%が「お買い物マラソン」中に購入経験があると回答しており、価格訴求やポイント倍率によって“今買うべき理由”があると購買行動に火がつくのが特徴です。

Yahoo!ショッピングはさらにユニークで、「5のつく日」や「PayPay祭」など、小さなイベントが高頻度で組み込まれており、“なんとなくおトクだから”という軽い動機づけで繰り返し購入される傾向があります。特に「5のつく日キャンペーン」は33.9%が利用しており、楽天やAmazonに比べて“習慣的なタイミング型”とも言えるでしょう。

このように、ECモールごとにユーザーの購買動機やスイッチは異なります。
モールをまたいで同じ戦略を当てはめていては、成果に差が出るのは当然ともいえるでしょう。重要なのは、それぞれのモールの“時間軸”に沿った施策を打つことなのです

その他の調査データはこちらからダウンロードいただけます!>
<2025年4月最新版>EC利用実態調査レポート

モールごとの“イベント特性”と活用戦略

ECモールは一括りに見えがちですが、それぞれがまったく異なる購買構造とキャンペーン戦略を持っています。ここでは、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングの3大モールの特徴を整理し、それぞれに最適な販促アプローチを解説します。

🔹Amazon:大型イベント集中型の“短期爆発力”を狙う

Amazonは「プライムデー」「ブラックフライデー」など、年に数回のビッグイベントにリソースを集中させるスタイルが特徴です。この期間中はユーザーの購入意欲も一気に高まるため、日常の販促よりも“まとめ買い”や“高単価商品”の動きが活発になります。
そのため、セット販売やタイムセール、カウントダウン演出など“即決を促す訴求”が効果的です。普段は静かでも、イベントの波が来たときに一気に乗れる設計が鍵となります。

🔹楽天市場:ポイント訴求で購買を加速する“計画購買型”

楽天市場は、ユーザーが「お買い物マラソン」や「スーパーSALE」を起点に、事前に欲しいものをまとめて買う“計画型”のモールです。とくにポイント倍率や買いまわりによる還元インセンティブが強力で、数%の違いが購入決定に直結します。
効果的なのは、「ポイント●倍」「先着クーポン」「複数カテゴリの横断訴求」といった、ユーザーの“買う理由”を明確にする構成です。また、ランキングやレビューでの信頼感づくりも後押し要素として欠かせません。

🔹Yahoo!ショッピング:“高頻度イベント”を活かしたリズム型運用

Yahoo!ショッピングの最大の特長は、「5のつく日」や「PayPay祭」など、小粒ながらも頻度の高いキャンペーンが多いことです。この仕組みにより、ユーザーは週単位で“なんとなくおトク”を期待してアクセスしてくる習慣が形成されています。
この文脈に沿うには、「毎週タッチポイントをつくる」戦略が有効です。出し惜しみせず、クーポン配信やLINE通知などで接点を高頻度に設計し、“毎回ちょっと得”を体感させることでリピート率が安定します。

このように、各モールには明確な“買われる文脈”が存在します。同じ商品でも、見せ方・出し方・タイミングがズレると、成果はまったく異なるものになります。それぞれの特性を踏まえた戦略的な設計が、売上を伸ばす第一歩です。

明日から変えられる!ECモール販促の改善アクション

PDCA
モールごとの購買特性やイベントの違いが分かっても、実際に何をどう変えればよいか迷う担当者も多いのではないでしょうか。ここでは、明日からでも始められる販促改善の具体アクションをご紹介します。

まず最初に取り組むべきは、「イベントカレンダー」の見直しです。
Amazon、楽天、Yahoo!それぞれの主要イベントや注目キャンペーンの日程をあらかじめ整理し、自社のキャンペーン計画と照らし合わせて、ズレがあれば即調整しましょう。
これにより、無風のタイミングで打っていたセールや投稿を“追い風のとき”に当て直すことができます。

次に、販促ページやクーポンの見せ方もモールごとに最適化する必要があります。
たとえば楽天なら「ポイント10倍」「買いまわり対象」などのバッジ表示や、クーポンの“獲得数”を可視化することでクリック率が高まります。
一方でAmazonは、タイムセールと絡めた“限定感の演出”が効果的で、カウントダウン表示やセット割訴求が有効です。

また、告知のタイミングも重要な要素です。Yahoo!ショッピングの「5のつく日」なら、3日前からの告知で期待感を醸成し、当日は即購入につなげるよう構成することでエンゲージメントが高まります。

そして何より、自社の商品やブランドが「どのモールで、どんな文脈で買われやすいのか」を意識してPDCAを回すことが大切です。
モール任せにせず、自ら“販促の主導権”を握ることで、成果は確実に変わってきます。

まとめ

ECモールの販促において成果を左右するのは、商品の魅力だけでなく「タイミングの設計力」です。モールごとに異なるイベントやユーザーの行動パターンを理解し、それに即した施策を打てるかどうかが、売上に直結します。
調査データをもとに、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングのそれぞれに合わせた販売戦略を実践すれば、同じ商品でもリーチやCV率は大きく変わります。
なんとなく続ける運用から一歩抜け出し、データと構造を武器に“狙って売る”仕組みを構築していきましょう!

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