企業アカウントの成功事例に学ぶ、X（旧Twitter）ハッシュタグ活用術～「なんとなく」はもう卒業！認知拡大で終わらせない「売るためのハッシュタグ戦略」～

2025年12月9日2025年12月11日

X（旧Twitter）は、そのリアルタイム性の高さや情報拡散力から、多くの企業にとって欠かせない情報発信の場となっています。特に「ハッシュタグ」は、投稿をより多くの人に届け、キャンペーンの効果を高めるために重要な機能です。

しかし、「とりあえず何か付けておけば良い」という運用では、期待する成果は得られません。この記事では、クロス・プロップワークスの支援実績をもとに、成果に繋がるハッシュタグ活用法を具体的な事例とともに解説します。

X（旧Twitter）のハッシュタグ戦略は、他のSNSプラットフォームと連携することで、より大きな成果を生み出すことができます。各プラットフォームの特性を理解し、目的に応じた最適な組み合わせを設計するための包括的な情報については、主要なSNSプラットフォームの効果的な活用方法を体系的に解説した専門記事をご用意しています。

ハッシュタグの基本とXにおける役割

まず、ハッシュタグの基本的な仕組みについておさらいしておきましょう。ハッシュタグとは、投稿に関連するキーワードの前に「#」（ハッシュマーク）を付けたもので、これをクリックまたはタップすることで、同じハッシュタグが付いた投稿を一覧で閲覧できます。

X（旧Twitter）は、今まさに起きている出来事や話題がリアルタイムで共有されるプラットフォームです。この「リアルタイム性」と、ユーザーが興味のある情報を能動的に探す「検索行動」が結びつく点が、ハッシュタグの役割を非常に重要なものにしています。

しかし、流行っているからという理由だけで、やみくもにハッシュタグを並べても効果は期待できません。届けたいターゲットに情報が届かないばかりか、投稿の意図がぼやけてしまい、ブランドイメージを損なうこともあります。

ハッシュタグは、X運用全体の戦略の一部です。目的設定から投稿計画、社内体制の構築まで、企業のX（旧Twitter）運用を成功に導くための包括的なガイドと実際の成功事例を専門記事で詳しく解説していますので、まずは全体像を理解することをお勧めします。

ハッシュタグで成果を出す企業アカウントの事例

では、実際に成果を出している企業はどのようにハッシュタグを活用しているのでしょうか。ここで、私たちがご支援しているクライアント様の事例をいくつか匿名でご紹介します。

事例1：季節ネタで親近感を高めた製薬会社のアカウント

ある製薬会社様（フォロワー約8,000）では、専門的で堅い印象を持たれがちな健康情報を、より身近に感じてもらうことを目指していました。

そこで活用したのが、季節性のある一般ワードとオリジナルハッシュタグの組み合わせです。

・8月20日の「#蚊の日」に合わせて、蚊に刺されにくくする方法を投稿
・「#花粉症対策」「#熱中症予防」など、季節の健康トピックスに対応

さらに、企業名が入ったオリジナルハッシュタグを継続的に使用しました。これにより、ファンが過去の投稿をまとめて見返せる設計になっています。

結果、投稿3ヶ月後のエンゲージメント率は開始前と比べて約2.3倍に向上しました。

事例2：地域ハッシュタグで来店数を増やしたホテルレストラン

福岡市内のホテルレストラン様では、X経由での来店客増加を目標に運用を開始しました。徹底したのは、「地域名」と「業態」を組み合わせたハッシュタグの活用です。

・#博多ランチ #福岡グルメ（来店意欲の高いユーザーが検索するキーワード）
・#○○（店名）の週替わりランチ（常連客向けのオリジナルハッシュタグ）

X投稿からLINE公式アカウントへ誘導する導線を整備した結果、LINE登録者数は3ヶ月で約400名増加。LINE配信の開封率も平均65%を維持し、週末の予約数増加に貢献しています。

ハッシュタグの最適化は、エンゲージメント率向上の重要な要素の一つです。投稿内容の工夫、タイミングの最適化、ユーザーとの双方向コミュニケーションなど、X（旧Twitter）のエンゲージメント率を総合的に高めるための具体的な手法を専門記事で詳しく解説しています。

ハッシュタグ運用のポイントと注意点

これらの成功事例からわかるように、ハッシュタグ運用で重要なのは、届けたい相手の「検索意図」を理解することです。目立つキーワードを付けるだけでは、ターゲットに届きません。

成果に繋がる3種類のハッシュタグとは？

具体的には、以下の3種類のハッシュタグをバランス良く組み合わせることが不可欠です。

ビッグハッシュタグ：「#プレゼントキャンペーン」や「#新商品」など、非常に多くの人が検索・使用する一般的なキーワードです。多くの人の目に触れる可能性がありますが、情報がすぐに流れてしまうため、これだけに頼るのは得策ではありません。
ミドルハッシュタグ：「#コスメ好きさんと繋がりたい」や「#福岡グルメ」のように、ビッグハッシュタグより少し絞られたキーワードです。特定の興味・関心を持つ層にアプローチするのに有効です。
オリジナルハッシュタグ：「#〇〇（企業名）の日常」や独自のキャンペーン名など、自社だけで使用するキーワードです。コミュニティ形成やUGC（ユーザー生成コンテンツ）の創出に繋がります。

オリジナルハッシュタグは、キャンペーンと組み合わせることで、UGC（ユーザー生成コンテンツ）の創出やコミュニティ形成に大きな効果を発揮します。企画設計から景品選定、投稿設計まで、実際に高い成果を上げたX（旧Twitter）キャンペーンの成功事例と効果的な運用方法を専門記事で詳しく解説しています。

信頼を損なわないための注意点

また、運用の際には注意も必要です。投稿内容と全く関係のないトレンドのハッシュタグを乱用すると、ユーザーから「便乗している」と見なされ、信頼を失う原因となります。最悪の場合、炎上のリスクも考えられるため、ハッシュタグは必ず投稿の文脈に沿ったものを選定してください。

効果測定とPDCAの回し方

ハッシュタグ戦略は、一度決めたら終わりではありません。私たちが実施した『SNS外注利用実態調査』〔実査：2025年1月／n=18,706／オンライン〕でも、SNS運用が上手くいっている企業に共通する最大の要因は、「データ分析による改善サイクルが実行できている」ことだと明らかになっています。

これはハッシュタグ運用においても全く同じです。X（旧Twitter）に標準で備わっている「アナリティクス」機能を使えば、投稿ごとのインプレッション（表示回数）やエンゲージメント（いいね、リポストなどの反応）を確認できます。どのハッシュタグを付けた投稿の反応が良いのかを定期的に分析し、次回の投稿に活かしていく地道な改善作業が、成果への一番の近道です。私たちのクライアント様への月次レポートでも、このハッシュタグごとの効果分析は最も重要なパートのひとつとなっています。

ハッシュタグの効果分析と改善は、SNS運用全体のPDCAサイクルの一環です。どの指標をどのタイミングで見るべきか、改善仮説をどう立てるべきか、チーム内でどう共有すべきかなど、SNS運用のPDCAサイクルを効果的に回して成果を最大化するための実践的な手法を専門記事で詳しく解説しています。