現在はECサイトが乱立して競争が激化し、楽天やAmaozonなどの大型のECサイトが力をつけ、自社商品の商品力のみでの集客が困難な状態です。
そこで注目されているのが、コンテンツマーケティングです。
コンテンツマーケティングに注目される方の中には、
・そもそもコンテンツマーケティングって何?
・どんなメリットを得られるの?
など、あらゆる疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、ECサイトでコンテンツマーケティングを行う上でのポイントや注意点に関して具体例を交えて紹介していきます。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは何か、その基礎的な知識について説明します。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、企業やブランドが自社の商品やサービスを宣伝・販促するために、有用な情報やエンターテイメント性の高いコンテンツを制作・配信するマーケティング戦略のことです。
従来型の広告手法とは異なり、コンテンツマーケティングでは消費者に対して積極的な営業や販売を行うことはしません。価値のある情報やエンターテイメントを提供することで、消費者の関心や信頼を得て、ブランド認知や顧客の獲得・維持を図ることを目指すというのが特徴になります。
コンテンツマーケティングの種類
コンテンツマーケティングの手法には、ブログ記事、ウェブサイトのコンテンツ、ビデオコンテンツ、ソーシャルメディアの投稿などがあります。
これらのコンテンツは、消費者の興味関心やニーズに合わせて作成され、教育、情報提供、娯楽の要素を持っていることが一般的になっています。
コンテンツマーケティングの目的
近年、ECサイトを活用してコンテンツマーケティングを行う企業が増えています。ECサイトでコンテンツマーケティングを行う目的について紹介します。目的には下記の3つがあります。
・ブランド認知獲得のため
・購買意欲を高めるため
・リピーターを増やすため
それぞれについて詳しく紹介します。
ブランドの認知獲得のため
コンテンツマーケティングを行う1つ目の理由は、ブランドの認知を獲得するためです。
ECサイトの発展にはブランド認知度の向上が必要不可欠です。従来の企業は認知度を上げるために、広告出稿などに取り組んでいましたが、広告を出すにはある程度の費用がかかります。
れに対しコンテンツマーケティングは、広告ほどの費用もかからず、SNSや検索エンジンを介して、自社のコンテンツに訪れてもらうことが可能です。
購買意欲を高めるため
コンテンツマーケティングを行う2つ目の理由が、購買意欲を高めるためです。
ECサイト上のコンテンツを充実させることで、ユーザーに商品の魅力を伝え、購買意欲を高めることが可能です。商品の特徴や使い方などを説明することで、実際に商品を使用している情景をユーザーにイメージしてもらうことが可能です。
自社に関する知識を深めてもらい、購入時に、最初に思い出してもらう存在を目指します。
リピーターを増やすため
コンテンツマーケティングを行う3つ目の理由が、リピート顧客を増やすためです。
コンテンツを継続的に発信することで、新規顧客の獲得に加えて、すでに商品またはサービスを利用したことがあるユーザーのファン化が期待できます。
新規の顧客に加え、リピーターを増やすことで、売り上げが伸び続け、企業として成長することが可能です。
ECサイトでコンテンツマーケティングを行うメリット
ECサイトでコンテンツマーケティングを活用するメリットは下記の3つがあります。
・コンテンツが資産になる
・比較的低予算で始められる
・コンテンツからECサイトへの集客につながる
それぞれについて詳しく説明します。
コンテンツが資産になる
発信したコンテンツはネット上残り続け、資産になります。ポスターや広告とは異なり、違う広告を掲載しても、サイト上に残り続けるのでユーザーが検索をすればコンテンツを見ることが可能です。良質なコンテンツを作成し、検索上位を獲得できれば、長期的な集客にもつながります。
比較的低予算で始められる
広告費に比べて、コンテンツマーケティングは、自社努力により低予算で始めることができます。アイデア出しや制作、校正など工数はかかりますが、制作費用以外にほとんどコストはかかりません。費用をかけずにいつでも始められるのがコンテンツマーケティングの1つのメリットです。
コンテンツからECサイトへお集客につながる
専門分野のコンテンツを充実させれば、専門サイトとて認知され、SNSでシェアされれば、ユーザーとの接点が増えます。また、有益なコンテンツを提供することでユーザーがECサイトにアクセスする機会が増え、商品購入やサービス利用に繋げることも可能です
ECサイトでコンテンツマーケティングを行うデメリット
一方、コンテンツマーケティングを行うデメリットも存在します。
下記のようなデメリットがあります。
・成果が出るまでに時間がかかる
・継続的なコンテンツの発信が必要
それぞれについて詳しく説明します。
成果が出るまでに時間がかかる
即効性のあるWeb広告とは異なり、すぐに結果が出にくい特徴があります。SEOなどによる効果が出るには、3ヶ月〜1年程度かかります。そのため、良質なコンテンツを継続的に作成、発信することが必要になります。
継続的なコンテンツの発信が必要
確かに、良質的なコンテンツは長くユーザーに読まれますが、SEOの効果を上げるには、それなりの数のコンテンツを作成する必要があります。また、サイト自体の更新も継続する必要があるので手間がかかります。
コンテンツマーケティングの種類
コンテンツマーケティングには複数種類が存在し、その中でも特に用いられているのが下記のものです。
・オウンドメディア
・メールマガジン
・SNS
・動画コンテンツ
それぞれについて詳しく説明します。
オウンドメディア
オウンドメディアとは、ECサイトとは別に自社で運営するメディアのことです。企業サイトやWebマガジン、ブログなどが含まれます。ユーザーのお悩み解決などの独自性の高いコンテンツを提供することで、検索流入が見込めるなど、潜在顧客へのアプローチや顧客育成に活用可能です。
メールマガジン
オウンドメティアやブログなどを介してメールアドレスを登録してもらい、定期的に情報発信する方法です。一度サイトから離れたユーザーにも情報発信しやすく、新商品の発売やイベントのタイミングでアプローチすることができます。自社に関心のあるユーザーが登録をするので、一度配信をするだけで多くのユーザーを呼び戻すことも可能です。
SNS投稿
FacebookやInstagram、Twitter、LINEなどのSNSを活用する方法です。ユーザーに合わせたSNSを活用することで、効率よくアプローチすることができます。また、通常の投稿は無料であるため、広告費もかからないので、安く新商品の宣伝ができたり、自社に関心のあるユーザーを数値として認識可能です。
動画コンテンツ
動画コンテンツを活用することで、多角的に情報を伝えることができます。商品に質感や細部の様子など写真や記事では伝えることができない情報をユーザーに届けることができます。動画プラットフォーム上であれば、動画内に広告や外部リンクを表示させることも可能です。特にYouTubeは世界中で利用されていて、SNSなどの拡散を通じて、認知度が大幅に向上する可能性を秘めています。
ECサイトでコンテンツマーケティングを成功させるためのポイント
ECサイトのコンテンツマーケティングを成功させるには、サイトに適したポイントの把握が必要です。ここでは、コンテンツマーケティングを成功させるためのポイントについて5つ解説します。
・目的や目標を明確にする
・自社商品を見つめ直す
・コンテンツの質にこだわる
・チームでコンテンツを制作する
・中長期スパンで継続する
それぞれについて説明します。
目的や目標を明確に設定する
1つ目は、「目的や目標を明確に設定する」ことです。
「商品やECサイトの認知度をあげたい」「リピート購入客を増やしたい」など、目的が異なれば作るコンテンツも異なります。
まずは、目的や目標について、社内で話し合いを行い、どのようなコンテンツが必要になるのかを明確にしましょう。
自社商品を見つめ直す
2つ目は、「自社商品を見つめ直す」ことです。
自社のターゲットや商品の強みなどを再確認することも必要です。
ユーザーとのミスマッチを起こさないよう、ユーザーからの需要や商品の強みについて、あらためて理解して、マーケティング戦略を練りましょう。
コンテンツの質にこだわる
3つ目は、「コンテンツの質にこだわる」ことです。
コンテンツマーケティングで成功するには、ユーザーの心を動かし鼓動させるほどの魅力的なコンテンツが必要です。上記の2つのポイントを踏まえて、読みやすいテキストや情報、写真などにこだわって作成して、ユーザーが「わかりやすい」「見ていて楽しい」を感じる魅力的なコンテンツの作成が必須です。
チームでコンテンツを制作する
4つ目は「チームでコンテンツを制作する」ことです。
常に情報を発信し続け、魅力的なECサイトを作るには、人手と労力が必要になります。一人では負担が大きいだけでなく、アイデアも浮かびにくいです。
そのためECサイトの運営者だけでなく、仕入れの担当者や製造に関わっている方、店舗スタッフなどそれぞれが得意とするコンテンツを担当分けし、効率よくECサイトのコンテンツ運営に取り組むことが必要です。
中長期スパンで継続する
5つ目は「中長期スパンで継続する」ことです。
コンテンツマーケティングは、効果が出るまでに一般には1年ほどかかります。
ブログやオウンドメディアを一から立ち上げる場合には、コンテンツの蓄積にも時間が必要です。
そのため、コンテンツマーケティングのみに取り組むのではなく、Web広告など短期的に効果の出やすいコンテンツと併用して、コンテンツを育てていくのがおすすめです。
ECサイトでのコンテンツマーケティング成功事例
ここでは、ECサイトにてコンテンツマーケティングを活用して成果を上げている事例について紹介します。
まずは、オウンドメディアで成功した例を2つ紹介します。
明治の食育(株式会社明治)
「明治の食育」とは、食に関する情報を「食の知識」「食の魅力」「食の大切さ」の3つの学びを柱に情報発信を行っているものです。掲載されているコンテンツの内容としては、明治の商品を使ったレシピや世界の食文化、大人向けのセミナーなど多岐に渡ります。小学生からシニア層まで幅広い層をターゲットに、各年齢層にあったコンテンツの配信を行っています。
mercan(メルカン)
メルカンは、「株式会社メルカリ」が運営するオウンドメディアです。
ターゲットはメルカリを使用したい人ではなく、広くメルカリ「興味」がある人を設定しているため、発信内容はメルカリで働く社員などのインタビューや開催されたイベントのレポートなどが中心となっています。
次に、SNS運用で成功した事例を1つ紹介します。
NISSANの公式Instagramアカウント
これは、日本を代表する自動車メーカーである「NISSAN」の公式Instagramアカウントです。2023年現在、691万人のフォロワーがいる大人気のアカウントです。
主に、自社の商品である車の写真を投稿するスタイルで運用をしています。
モデルや美しい風景のシチュエーションの写真だけでなく、他の一般のユーザーの投稿をリポストすることで、ユーザーとのコミュニケーションまで行う取り組みが成功の要因と言えるでしょう。
SNSマーケティングについて詳しくは、下記記事をご参考ください。
snsマーケティングとは?具体的な手法、実行の流れを徹底解説!
最後に、動画コンテンツを活用した成功事例を1つ紹介します。
Mercedes-Benz日本のTVCM
Mercedes-Benz日本とスーパーマリオがコラボレーションした、新型SUV GLAクラスのPR動画です。ゲームの世界であるスーパーマリオから動画が始まり、実写に移行。車から実写のマリオが降りてくるという展開です。
新しく販売する車のターゲット層が40代以下になっているため、「ベンツ=高価なもの」というイメージを払拭するため、若い年齢層に馴染みのあるマリオとのコラボレーションを実施。「ベンツのマリオのコラボ」ということで話題になったほか、狙い通りターゲットとする40代以下の層の来客促進に繋がりました。
まとめ
コンテンツマーケティングにおいて重要なのは、ユーザーにとって価値のある情報を届けることです。良質なコンテンツを発信し、ユーザーをファン化することができれば、長期の集客が可能です。
また、コンテンツマーケティングの手法は様々なので、自社に適した形を模索していくことも重要です。
本記事を参考に、自社にあった形で、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供し、ECサイトの成長に繋げていただけたらと思います。
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