2026年を迎え、SNSの潮流はさらに変化のスピードを増しています。主要プラットフォームが進化を続ける一方で、新興SNSや機能特化型サービスも存在感を増しており、企業のマーケティング戦略に影響を与え始めています。「どのSNSに注力すべきか」「新しいプラットフォームに手を出すべきか」と迷う担当者も多いのではないでしょうか。この記事では、私たちがSNSマーケティングの現場から見た、2026年に企業が注目すべきSNSプラットフォームとその特徴をわかりやすく解説します。
Instagramの進化と「ショッピング機能」の成熟
Instagramは単なる写真共有アプリから脱却し、Eコマース機能を年々強化しています。2026年にはライブ配信とショッピングの融合がさらに進み、BtoC企業にとっては販売チャネルとしての存在感が一層高まると予測されます。
注目すべき進化ポイント
Instagramショップ機能はすでに多くの企業が導入していますが、ライブコマースとしての活用も広がっています。現状では配信中に直接購入できる機能はないものの、商品タグやストーリーズを組み合わせることで、視聴から購入への導線を設計できます。今後、機能の拡充が進めば、よりシームレスな購買体験が実現する可能性もあります。
また、リール動画の重要性も引き続き高まっています。私たちが2025年8月に実施したSNS利用実態調査(全国の15〜79歳男女3,235名を対象)によると、Instagramで商品やサービスを購入した経験がある人は27.9%にのぼり、20〜30代では35%を超える結果となりました。この傾向は2026年も継続すると考えられ、リールを活用した商品訴求がますます効果的になるでしょう。

販売チャネルとして活用するためのポイント
Instagramを販売チャネルとして活用するには、投稿のビジュアルクオリティに加え、ショップ機能の設定やライブ配信の企画力も問われるようになっています。商品タグを活用した投稿、ストーリーズでの限定クーポン配布、インフルエンサーとのコラボライブなど、購買導線を意識した運用設計が成果を左右します。
TikTokの検索プラットフォーム化と情報収集ツールとしての成長
短尺動画で知られるTikTokは、若年層だけでなくビジネス層にも利用されるようになっています。2026年は「検索エンジン代替」としての側面がさらに強まり、企業のSNS戦略において無視できない存在となります。
「TikTokで調べる」が当たり前に
従来、商品やサービスの情報収集といえばGoogleが主流でした。しかし近年は「TikTokで調べる」「Instagramでタグる」といった行動が急速に広がっています。特にTikTokでは、商品レビュー、使い方の解説、比較動画などが豊富に投稿されており、購入前の情報収集ツールとして定着しつつあります。
私たちの調査でも、TikTokで商品やサービスを購入した経験がある人は28.5%にのぼり、Instagramとほぼ同水準という結果が出ています。動画を通じて商品の使用感やリアルな評価を確認し、そのまま購入に至るケースが増えているのです。

TikTok Shopの日本上陸と「動画を見て、その場で買う」時代の到来
2026年のTikTokを語るうえで見逃せないのが、TikTok Shopの日本展開です。TikTok Shopは、動画やライブ配信を見ながらアプリ内で直接商品を購入できるEコマース機能で、海外ではすでに大きな成功を収めています。
日本でも2024年にTikTok Shopがローンチされ、2026年は本格的な普及が進む年になると予測されます。これまでTikTokは「認知を取るためのプラットフォーム」という位置づけが強かったですが、TikTok Shopの浸透により、「動画を見て、その場で買う」という購買行動がより一般的になる可能性があります。
企業にとっては、TikTokが「認知から購買まで完結するプラットフォーム」へと進化することを意味します。特にBtoC企業、とりわけアパレル、コスメ、食品、雑貨などの領域では、TikTok Shopを活用した販売戦略が競争優位につながるかもしれません。
ただし、TikTok Shopで成果を出すためには、単に商品を並べるだけでは不十分です。動画コンテンツの企画力、ライブ配信でのコミュニケーション力、そしてクリエイターやインフルエンサーとの連携が鍵となります。今のうちから、TikTokでのコンテンツ制作力を磨いておくことが、2026年以降の成果に直結するでしょう。
TikTok Shopを日本で提供開始!発見から購入までをアプリ内で完結し、新たな購買体験となる「ディスカバリーEコマース」を実現
(6月 30, 2025 TikTokニュース)
「検索される動画」を作るコツ
TikTokを活用するうえで重要なのは、「検索される動画」を意識した制作です。キャプションやハッシュタグに検索されやすいキーワードを含め、ユーザーが知りたい情報を的確に届ける構成を意識しましょう。また、エンタメ性だけでなく実用的な情報を盛り込むことで、保存やシェアといったエンゲージメントにもつながりやすくなります。
ThreadsやBlueskyなど新興SNSの動向と可能性
X(旧Twitter)の仕様変更や運営方針への不安が広がる中、分散型SNSやコミュニティ重視型のプラットフォームが台頭しています。2026年は、これらの新興SNSが企業のマーケティングにおいても選択肢として浮上する年になるかもしれません。
注目される新興プラットフォーム
Threads(スレッズ)はMeta社が提供するテキスト共有SNSで、Instagramとの連携が強みです。Instagramのフォロワー基盤をそのまま活用できるため、すでにInstagram運用に注力している企業なら、比較的スムーズに始められるはずです。
一方、Bluesky(ブルースカイ)は分散型プロトコルを採用したSNSで、ユーザーがアルゴリズムを選択できる自由度の高さが特徴です。まだユーザー数は限定的ですが、テック感度の高い層やX離れを検討するユーザーの受け皿として注目されています。
企業が検討すべき視点
新興SNSへの参入は、先行者利益を得られる可能性がある一方で、ユーザー数やエンゲージメントの安定性には不透明な部分もあります。現時点では「メインのSNS運用を補完するサブチャネル」として位置づけ、情報発信の実験場やファンコミュニティ形成の場として活用するのが現実的です。
本格的にリソースを割く前に、自社のターゲット層がそのプラットフォームに存在するかどうかを見極めることが重要です。
LinkedInとYouTubeの再評価、BtoB・動画戦略の鍵に
2026年は、LinkedInとYouTubeが企業のSNS戦略において改めて注目される年になると私たちは考えています。特にBtoB企業や、長期的なブランディングを重視する企業にとって、この2つのプラットフォームは見逃せません。
LinkedInの国内浸透
LinkedInは海外ではビジネスSNSの定番ですが、日本国内ではまだ活用が限定的でした。しかし近年、採用活動やBtoBのリード獲得、経営層への情報発信を目的とした企業アカウントが増加傾向にあります。
LinkedInの強みは、ビジネス目的のユーザーが多く、投稿が「業務時間内に見られる」可能性が高い点です。ホワイトペーパーへの誘導、ウェビナー告知、業界動向の発信など、BtoBマーケティングと相性の良い施策が展開しやすい環境です。
YouTubeのSEO効果と信頼性
YouTubeは動画プラットフォームとして成熟しており、Google検索との連携によるSEO効果が期待できます。企業紹介動画、製品デモ、ノウハウ解説など、ストック型のコンテンツを蓄積することで、長期的な集客資産を構築できます。
また、長尺動画は情報量を多く伝えられるため、複雑なサービスや高単価商材の訴求に適しています。BtoB商材やコンサルティングサービスなど、購入前に十分な理解が求められる領域では、YouTubeでの情報発信が信頼獲得に寄与します。
中長期の資産形成を意識した運用を
LinkedInは、まず企業ページの整備と経営層・社員による発信体制の構築から始めるのがおすすめです。YouTubeは、SEOを意識したタイトル・概要欄の設計と、視聴者の課題を解決するコンテンツ企画が成功の鍵となります。どちらも短期的なバズを狙うより、中長期で資産を積み上げていく意識が大切です。
まとめ
2026年はSNSの多様化と役割の細分化がさらに進む年になるでしょう。Instagramはショッピング機能の成熟により販売チャネルとしての価値が高まり、TikTokは検索プラットフォームとして情報収集の入り口になるとともに、TikTok Shopの普及により「認知から購買まで完結するプラットフォーム」へと進化しつつあります。ThreadsやBlueskyといった新興SNSも、目的次第では有効な選択肢となり得ます。そしてLinkedInやYouTubeは、BtoBやブランディングを重視する企業にとって再評価すべきプラットフォームです。
大切なのは、すべてのSNSに手を広げることではありません。それぞれのプラットフォームの強みとユーザー特性を正しく理解し、自社の目的とターゲットに応じて選択と集中を行うことです。 本記事を参考に、2026年のSNS戦略の見直しをぜひ検討してみてください。
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