SNS運用代行のROI(投資対効果)とは?計算方法と成功のポイント~投資を「見える化」し、SNS運用を事業成長につなげるための実践ガイド~

SNS運用代行のROI(投資対効果)とは?計算方法と成功のポイント

SNS運用代行サービスに月額数十万円を投資している。しかし、その投資が本当に成果につながっているのか、正直なところ自信を持って答えられない。そんな企業担当者の方は少なくないのではないでしょうか。

SNSは「成果が見えづらい」と言われることがあります。しかし、それは正しい測定方法を知らないだけであり、適切な視点と指標を持てば、投資対効果を数値として把握し、改善につなげることは十分に可能です。

この記事では、SNS運用代行におけるROI(ReturnonInvestment:投資対効果)の基本概念から、具体的な計算方法、そしてROIを最大化するためのポイントまでを体系的に解説します。「なんとなく運用している」状態から脱却し、投資に見合った成果を出すための道筋を一緒に考えていきましょう。

本記事ではROIの「計算方法」を中心にお伝えしますが、実際の費用相場とそれに見合う具体的な効果について、まずは全体像を把握したいという方は、包括的に解説した専門記事もあわせてご確認ください。

目次

SNS運用代行のROI(投資対効果)とは何か?基本概念と重要性

ROIという言葉は聞いたことがあっても、SNS運用の文脈でどのように捉えるべきか、明確にイメージできている方は多くないかもしれません。まずは基本概念を整理し、なぜROIを把握することが重要なのかを確認します。

ROI(投資対効果)の基本的な考え方

ROIとは「ReturnonInvestment」の略で、日本語では「投資対効果」や「投資収益率」と訳されます。投資に対してどれだけのリターン(利益や価値)を得られたかを示す指標であり、一般的な計算式は以下のとおりです。

ROI(%)=(得られた利益−投資額)÷投資額×100

たとえば、SNS運用代行に月額30万円を投資し、それによって50万円の利益増加があった場合、ROIは約67%となります。投資額を上回るリターンが得られていれば、その投資は「成功」と評価できます。

ただし、SNS運用の場合、利益への直接的な貢献だけでなく、ブランド認知の向上や顧客とのエンゲージメント強化など、数値化しにくい価値も含まれます。そのため、ROIを測定する際には、何を「リターン」と定義するかを事前に明確にしておく必要があります。

なぜSNS運用でROI(投資対効果)を把握すべきなのか

私たちが多くの企業を支援してきた中で感じるのは、ROIを意識していない運用は、改善の方向性が見えず、成果が出ないまま漫然と続いてしまうリスクがあるということです。

私たちが2024年12月に実施したSNS運用外注利用実態調査(全国の男女18,706名を対象)によると、SNS運用が上手くいっている企業に共通する要因として最も多く挙げられたのは「データ分析による改善サイクルが実行できている」ことでした。つまり、成果を出している企業は、投資と成果の関係を把握し、継続的に改善を行っているのです。

逆に言えば、ROIを測定しないまま運用を続けることは、地図を持たずに航海するようなものです。どこに向かっているのか、今どの位置にいるのかがわからなければ、目的地にたどり着くことは難しいでしょう。

SNS運用のROI(投資対効果)が「見えづらい」と言われる理由

SNS運用のROIが測定しにくいと感じられる背景には、いくつかの要因があります。

第一に、購買までの経路が複雑であること。ユーザーがSNSで商品を知り、後日Googleで検索して購入した場合、その売上はSNSの貢献としてカウントされにくくなります。

第二に、効果が出るまでに時間がかかること。SNS運用は短期間で成果が出るものではなく、フォロワーとの信頼関係を築きながら徐々に効果が現れてきます。投資から成果までのタイムラグがあるため、単月での評価が難しいのです。

第三に、数値化しにくい価値があること。ブランドイメージの向上や、ファンコミュニティの形成といった成果は、直接的な利益として現れにくいものの、長期的な事業成長には重要な要素です。ただし、こうした数値化しにくい価値は、まずROIがプラスになる状態を作ったうえで、プラスアルファの価値として捉えることをお勧めします。目に見える利益を確保しつつ、数値化できないブランディング効果も得られている、という状態を目指すことで、投資判断がしやすくなります。

SNS運用代行で得られる成果は、売上だけではありません。フォロワー増加、認知拡大、ブランド価値向上など、具体的にどのような成果が期待でき、成功企業はどのような結果を出しているのか、事例を交えて解説した記事もあわせてご確認ください。

これらの特性を理解したうえで、適切な指標を設定し、中長期的な視点でROIを評価することが求められます。

ROI(投資対効果)を構成する3つの主要要素

SNS運用のROIを正しく把握するためには、「費用(インプット)」「成果(アウトプット)」「期間」という3つの要素を理解する必要があります。それぞれがROIにどのように影響するかを整理します。

要素1:費用(インプット)

ROIの分母となる「投資額」には、外注費用だけでなく、関連するすべてのコストを含める必要があります。

外注費用
運用代行会社への月額費用、初期設定費用、オプション費用など。
広告費用
SNS広告を出稿している場合は、その費用も投資額に含めます。
◆社内コスト
見落としがちですが、社内担当者がSNS運用に費やしている時間も、人件費として換算すべきコストです。素材撮影、投稿確認、代行会社とのミーティングなどに要する時間を金額換算することで、より正確な投資額が把握できます。
ツール費用
分析ツールや投稿管理ツールなど、SNS運用に使用しているツールの費用も含めます。

これらを漏れなく把握することで、初めて正確なROI計算が可能になります。

正確なROI算出のためには、外注費用の詳細を把握しておくことが不可欠です。月額料金に含まれる具体的なサービス内容や、オプション費用の相場について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご確認ください。

要素2:成果(アウトプット)

ROIの分子となる「成果」をどのように定義するかは、企業のSNS運用の目的によって異なります。

◆売上への直接貢献
SNS経由でのEC売上、来店予約、問い合わせ数など、直接的に金額換算できる成果。
◆認知・リーチの拡大
インプレッション数、リーチ数、フォロワー増加数など。これらは直接的な売上ではありませんが、将来の顧客獲得につながる「資産」として評価できます。
◆エンゲージメントの向上
いいね数、コメント数、保存数、シェア数など。ユーザーとの関係性の深さを示す指標です。
◆ブランド価値の向上
指名検索数の増加、ブランドに関するポジティブな言及の増加など。測定は難しいものの、長期的な事業成長に寄与する重要な成果です。

自社の運用目的に合った成果指標を設定することが重要です。

要素3:期間

ROIを評価する際には、どの期間で測定するかも重要な要素です。

◆短期(1〜3ヶ月)
キャンペーンや広告施策など、特定の取り組みの効果を測定するのに適しています。ただし、SNS運用全体の成果を評価するには期間が短すぎます。
◆中期(6ヶ月〜1年)
アカウントの成長やフォロワーとの関係構築を含めた運用全体の成果を評価するのに適した期間です。多くの場合、この期間でROIを測定することをお勧めします。
◆長期(1年以上)
ブランド価値の向上やコミュニティ形成など、時間をかけて醸成される価値を評価する際に適しています。

SNS運用は短期間で劇的な成果が出るものではありません。最低でも6ヶ月、できれば1年という期間でROIを評価することで、より正確な判断が可能になります。

実際にどう計算する?SNS運用ROI(投資対効果)の算出方法と指標例

ここからは、より実践的な内容として、ROIの具体的な計算方法と、測定に使用する代表的な指標を紹介します。

基本的なROI(投資対効果)計算式とその適用

SNS運用のROIを計算する際の基本式は、冒頭でお伝えしたとおりです。

ROI(%)=(得られた利益−投資額)÷投資額×100

しかし、「得られた利益」をどのように算出するかが、SNS運用においては難しいポイントです。以下に、いくつかのアプローチを紹介します。

  • アプローチ1
    直接売上で計算するSNS経由での売上が明確に把握できる場合は、シンプルに計算できます。たとえば、InstagramのショッピングタグやLINE経由の購入など、流入元が特定できる売上を使用します。

    例:SNS経由の月間売上80万円、運用代行費用25万円、広告費15万円の場合
      ROI=(80万円−40万円)÷40万円×100=100%
  • アプローチ2
    コンバージョン価値で計算する直接売上が把握しにくい場合は、コンバージョン(問い合わせ、資料請求、会員登録など)に金額を設定して計算します。たとえば、問い合わせ1件あたりの平均成約率と平均単価から、1コンバージョンの価値を算出します。

    例:問い合わせ1件の価値を5,000円と設定、月間30件のSNS経由問い合わせ、運用費用20万円の場合
      ROI=(15万円−20万円)÷20万円×100=−25%

この場合、ROIはマイナスですが、問い合わせの価値設定を見直すか、運用改善によってコンバージョン数を増やす必要があることがわかります。

BtoCとBtoBでの指標の違い

ROIを測定する際に重視すべき指標は、ビジネスモデルによって異なります。

  • BtoC企業の場合:BtoC企業では、SNSから購買行動への直接的な導線が作りやすいため、以下の指標が重視されます。

    EC流入数と売上、クーポン利用数、来店予約数、アプリダウンロード数など。購買行動を追跡することで、ROIを比較的明確に把握できます
  • BtoB企業の場合:BtoB企業では、SNSから直接売上につながるケースは少なく、リード獲得や認知拡大が主な目的となります。

    資料請求数、ホワイトペーパーダウンロード数、セミナー申込数、問い合わせ数など。これらのコンバージョンに対して、商談化率や成約率から逆算した金額を設定することで、ROIを計算できます。

ROI(投資対効果)測定に役立つKPI一覧

ROIを継続的に改善していくためには、日常的にモニタリングするKPIを設定しておくことが重要です。以下に、段階別のKPI例を示します。

段階KPI例意味するもの
認知インプレッション数、リーチ数、フォロワー増加数どれだけの人に届いているか
興味・関心エンゲージメント率、保存数、プロフィールアクセス数どれだけ興味を持たれているか
検討リンククリック数、サイト流入数、滞在時間どれだけ詳しく知ろうとしているか
行動コンバージョン数、購入数、問い合わせ数どれだけ行動に移しているか

これらのKPIを定期的に追跡し、どの段階で離脱が起きているかを分析することで、改善すべきポイントが明確になります

ROIを高めるためには、フェーズごとに適切なKPI(重要業績評価指標)を設定し、モニタリングすることが重要です。ビジネスの目的に合わせた正しいKPI設定の方法について、詳しく解説した記事もご用意しています。

ROI(投資対効果)を最大化するためのポイントと施策

ROIの計算方法を理解したうえで、次に重要なのは「どうすればROIを高められるか」という視点です。ここでは、成果を出すSNS運用に共通するポイントと、依頼する側が押さえておくべき施策を解説します。

戦略設計の段階でROI(投資対効果)を意識する

ROIを最大化するための最初のステップは、運用開始前の戦略設計にあります。「何を目的に、誰に向けて、どのような成果を目指すのか」が曖昧なまま運用を始めると、後からROIを測定しようとしても基準がないため評価できません。

私たちがSNS運用を支援する際には、まず3C分析(Company、Customer、Competitor)に基づいてターゲットと競合を明確化し、そのうえで達成すべきKPIと測定方法を設計します。この初期設計に投資することで、運用開始後のPDCAが効果的に回るようになります。

適切なKPI設定と定期的な見直し

KPIは一度設定したら終わりではなく、運用状況に応じて見直すことが重要です。

たとえば、運用初期はフォロワー獲得やリーチ拡大を重視し、一定の基盤ができた段階でエンゲージメントやコンバージョンにKPIをシフトするといった段階的なアプローチが有効です。

また、設定したKPIが事業目標と乖離していないかを定期的に確認することも大切です。フォロワー数は増えているのに売上につながっていない場合は、KPIの設定自体を見直す必要があるかもしれません。

コンテンツの質と一貫性を担保する

ROIを高めるうえで、コンテンツの質は欠かせない要素です。

私たちが2025年8月に実施したSNS利用実態調査(全国の15〜79歳の男女3,235名を対象)によると、SNS経由で商品・サービスを購入したきっかけとして、「フォローしているアカウントの投稿」や「おすすめ表示された投稿」が上位を占めています。つまり、ユーザーの目に留まり、行動を促すコンテンツを継続的に発信できるかどうかが、ROIに直結するのです。

また、投稿の世界観やトーンに一貫性を持たせることで、アカウント全体のブランドイメージが確立され、フォロワーの定着率が高まります。

高いROIを実現している企業は、どのような戦略で運用を行っているのでしょうか。具体的な成功事例をもとに、成果を出している企業の特徴や運用ポイントを解説した記事もぜひ参考にしてください。

PDCAサイクルを確実に回す

SNS運用で成果を出している企業に共通するのは、データに基づいた改善サイクルを継続的に回していることです。

具体的には、月次レポートで各投稿のパフォーマンスを分析し、反応の良かったコンテンツの傾向を把握します。そのうえで、次月の投稿計画に反映させ、仮説検証を繰り返します。

PDCAサイクルの質は、レポートの質で決まります。単なる数値の羅列ではなく、次のアクションにつながる意味のあるレポートを作成するためのポイントや、分析手法について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご確認ください。

正直にお伝えすると、私たちも過去に改善サイクルの重要性を軽視したことで成果が出なかった経験があります。ある企業様への支援で、クリエイティブの質には自信があったものの、投稿後の分析と改善提案が不十分だったために、3ヶ月経っても目標KPIに届かないことがありました。そこから毎週の振り返りミーティングを導入し、データに基づいた改善を徹底することで、その後は着実に成果を伸ばすことができました。

依頼側としてできること

ROIを最大化するためには、代行会社任せにするのではなく、依頼側も積極的に関与することが重要です。

  • 自社の情報を積極的に共有する
    新商品の発売予定、キャンペーン計画、顧客からの声など、現場の情報を共有することで、より効果的なコンテンツ企画が可能になります。
  • 定例ミーティングを有効活用する
    レポートを受け取るだけでなく、疑問点を解消し、次の施策について議論する場として活用してください。
  • 成果が出ない場合は原因を一緒に分析する
    期待した成果が出ない場合でも、すぐに代行会社を変えるのではなく、まずは原因を特定し、改善策を講じることが大切です。

まとめ:ROI(投資対効果)の把握が、SNS運用を事業成長につなげる鍵

この記事では、SNS運用代行におけるROIの基本概念から、構成要素、計算方法、そして最大化のためのポイントまでを解説してきました。

改めて重要なポイントを整理すると、ROIを正しく把握するためには、費用・成果・期間という3つの要素を明確に定義することが出発点です。投資額には外注費だけでなく社内コストやツール費用も含め、成果は自社の運用目的に合った指標で測定します。評価期間は最低でも6ヶ月以上を目安とし、短期的な数字に一喜一憂しないことが大切です。

そして、ROIを最大化するためには、戦略設計の段階から成果指標を意識し、適切なKPIを設定したうえで、データに基づいたPDCAサイクルを継続的に回すことが不可欠です。

SNS運用代行のROIを把握することは、単なる費用対効果を見る以上に、事業戦略全体の見直しにもつながります。「何のためにSNSを運用しているのか」「その投資は事業目標の達成に貢献しているのか」という問いに向き合うことで、より本質的なマーケティング活動への進化が可能になります。

私たちクロス・プロップワークスは、調査データを活用した戦略設計から効果検証まで、ROIを意識したSNS運用支援を提供しています。「投資に見合った成果を出したい」「現状の運用を見直したい」という企業担当者の方は、ぜひ一度ご相談ください。

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監修

川﨑 恒平(Kohei Kawasaki)
株式会社クロス・プロップワークス 代表取締役

複数のベンチャー企業でWebメディアの立上げや営業、システム開発などを経験したのち、2004年に株式会社クロス・マーケティング入社。経営企画室長、情報システム部長を歴任し、組織のデジタル化を牽引。
その後、GDX株式会社の取締役COOとして、数多くのEC事業立ち上げやグローバル展開を支援した実績を持つ。

2021年よりクロス・マーケティンググループに復帰。現在はグループ執行役員および株式会社クロス・プロップワークス代表を務める。SNSマーケティング、EC運用、データ活用を軸としたデジタル戦略の専門家として、最新トレンドと実務に基づいた知見を提供している。

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