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企業向けSNSマーケティング戦略の立て方

はじめに:企業がSNS戦略を持つべき3つの理由

現代のビジネスにおいて、企業のSNS活用は不可欠なものとなりました。しかし、目的のない日々の投稿だけでは、期待する成果を得ることは困難です。明確な「戦略」を持つべき理由は、大きく2つあります。

第一に、生活者の情報収集や購買行動の中心がSNSへとシフトしていること。そして第二に、単なる販促ツールとしてだけでなく、企業価値を高めるブランディングの役割まで、経営層から期待されるようになったことです。これら複数の目的を達成するためには、リソースを最適に配分する設計図、すなわち戦略が必須となります。

本記事では、事業の成果に繋がるSNSマーケティング戦略の立て方を、具体的なステップに沿って網羅的に解説します。

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戦略策定フレームワーク5STEP

SNSマーケティング戦略は、以下の5つのステップで策定を進めます。これらは、感覚的な運用を避け、論理的かつ効果的な活動を行うための重要なプロセスです。

  1. ビジネスゴールとSNSゴールのすり合わせ: 企業の最終的な事業目標(売上向上、リード獲得など)と、その達成のためにSNSで何を目指すのかを明確に紐づけます。
  2. ペルソナ設定とジャーニー把握: 情報を届けたい理想の顧客像(ペルソナ)を具体的に描き、そのペルソナが商品を認知し、購入に至るまでの行動プロセスを理解します。
  3. プラットフォーム選定: 設定したペルソナが最も利用しており、かつ自社の目的達成に適したSNSプラットフォームを選定します。
  4. KPI設計とモニタリング体制: SNSでの目標達成度を測るための重要業績評価指標(KPI)を設定し、その数値を定期的に観測する体制を構築します。
  5. コンテンツ&PDCAプラン: 誰に、何を、どのように伝えるかのコンテンツ方針を定め、実行・分析・改善を繰り返すPDCAサイクルを計画します。

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BtoB vs BtoC──業種・顧客タイプ別アプローチ

SNSマーケティング戦略は、対象とする顧客によってアプローチが大きく異なります。

BtoB(企業向けビジネス)のアプローチ

BtoBにおけるSNSの役割は、「認知獲得」から「信頼の醸成」、そして「リード(見込み顧客)育成」へと繋げることです。そのため、製品の専門性を伝える技術的なコンテンツ、業界の課題を解決するウェビナーの告知、企業の信頼性を高めるための社員個人の情報発信などが有効な施策となります。

BtoB企業のSNS活用法と成功事例

BtoC(消費者向けビジネス)のアプローチ

BtoCでは、ユーザーからの「共感」を獲得することが起点となります。企業の想いや商品の裏側を伝えるストーリーテリング、参加を促すキャンペーンによる購買意欲の向上、そして顧客による投稿(UGC)の拡散を狙う施策が中心です。論理的な訴求よりも、感情的な繋がりを重視する点が特徴です。

BtoC企業のSNS活用法と成功事例

チャネル選定と運用リソース配分

各SNSプラットフォームの特性を理解し、自社のリソースを最適に配分することが戦略成功の鍵を握ります。

  • 各チャネルの主な役割
    • Instagram/TikTok: ブランディングや若年層への認知拡大
    • X(旧Twitter)/YouTube: リアルタイムな情報発信や深い情報提供による信頼獲得
    • LINE: 既存顧客との関係を深めるCRM(顧客関係管理)

運用体制は、内製、外注、そして両者を組み合わせたハイブリッドの3つに大別されます。人件費や教育コスト、ツールの導入費などを算出し、自社の事業フェーズに合った体制を選択することが重要です。

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KPI設計と効果測定の実践ステップ

戦略の成果を正しく評価し、改善に繋げるためには、適切なKPI設計と効果測定の仕組みが不可欠です。

  • ゴール設定と主要指標 SMARTOKRといったフレームワークを活用し、測定可能なゴールを設定します。その上で、インプレッション(IMP)やエンゲージメント率(ER)といったプロセス指標、コンバージョン率(CVR)や広告費用対効果(ROAS)といった成果指標を多角的に観測します。
  • データ可視化ツールの活用 GA4やLooker Studio、Sprout Socialといったツールを活用し、各種データをダッシュボードに集約することで、迅速な状況把握と意思決定が可能になります。

KPI・効果測定に関する詳細はこちら

コンテンツ戦略と投稿カレンダー設計

戦略の成否を分けるのが、日々のコンテンツです。「誰に」「何を」伝えるかを具体的に計画します。

コンテンツは「教育」「共感」「参加」「販売」の4象限に分類し、バランス良く発信することが基本です。また、テキストと画像だけでなく、カルーセル投稿や短尺動画、ライブ配信など、プラットフォームの特性に合わせたフォーマットを使い分けることで、ユーザーの関心を引きます。ターゲット層の分析に基づき、最適な投稿頻度と時間を定め、戦略的なハッシュタグの活用や、トレンドを適切に取り入れることも重要です。

コンテンツ・投稿戦略に関する詳細はこちら

PDCA運用と改善サイクル

SNSマーケティングは、一度戦略を立てて終わりではありません。週次レポートでの細かな分析と仮説出し、A/Bテストによるクリエイティブの最適化、そして月次レビューでのKPIの進捗確認と戦略の見直し、という継続的な改善活動が不可欠です。外部パートナーと協力する場合は、共通のダッシュボードで常に進捗を共有できる体制が理想です。

まとめ:明日から組織で動くための3Action

本記事では、企業がSNSマーケティング戦略を策定し、実行するための全体像を解説しました。この知識を実際の行動に移すため、明日からぜひ以下の3つのアクションに取り組んでみてください。

  1. ゴール再定義: まず、自社の事業目標とSNSで目指すゴールが明確にリンクしているか、関係者間ですり合わせを行います。
  2. KPI整理: 次に、そのゴールを計測するための適切なKPIが設定されているかを確認します。
  3. チームアサイン: 最後に、誰が、いつまでに、何を実行するのか、具体的な役割分担を決定します。

戦略的なSNS運用は、企業の未来を創る重要な投資です。本記事が、その第一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。

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