SNSのトレンドは目まぐるしく変化しており、2026年もその流れは加速しています。昨年まで効果的だったコンテンツが、今年は反応が薄くなるということも珍しくありません。企業アカウントを運用するうえで、今年注目すべきコンテンツの傾向を掴んでおくことは、競争力を高めるうえで欠かせません。
しかし、ここで一つお伝えしておきたいことがあります。トレンドの「形式」だけを真似しても、成果にはつながりにくいということです。 大切なのは、なぜそのコンテンツが支持されているのか、その背景にあるユーザー心理を理解することです。
この記事では、2026年に流行が予測されるSNSコンテンツの特徴や傾向を分析し、今後の戦略に活かせるヒントを解説していきます。
縦長・情報重視型コンテンツが支持される理由
2024年頃から続く「情報提供系縦長投稿」の流行は、2026年も継続しています。特にInstagramでは、このタイプのコンテンツが高いエンゲージメントを獲得する傾向が顕著です。
スマホ画面を最大限に活かすフォーマット
縦長コンテンツが支持される最大の理由は、スマートフォンでの視聴体験に最適化されていることです。横長の画像や動画は画面の一部しか使えませんが、縦長フォーマットであれば画面全体を使って情報を伝えることができます。
Instagramのフィード投稿でも、従来の正方形から縦長(4:5や9:16)へのシフトが進んでいます。タイムラインをスクロールする中で、より大きな面積を占める縦長投稿は目に留まりやすく、結果としてエンゲージメント率の向上につながっています。
「保存したくなる」実用的な情報が評価される
2026年のSNSでは、単に見栄えの良いビジュアルよりも、ユーザーにとって実用的で役立つ情報を提供するコンテンツが評価されています。
「後で見返したい」「参考になる」と思われる投稿は、いいねだけでなく「保存」されやすくなります。保存数はアルゴリズム上でも重視される指標であり、保存率の高い投稿はより多くのユーザーに表示されやすくなります。
具体的には、ハウツー系のまとめ、比較表、チェックリスト、ステップガイドなど、情報が整理されて見やすいコンテンツが好まれています。自社の専門性を活かした「役立つ情報」を発信することで、フォロワーからの信頼獲得にもつながります。
カルーセル投稿で情報量と滞在時間を確保
縦長フォーマットと相性が良いのが、複数枚の画像をスワイプして閲覧するカルーセル投稿です。1枚目で興味を引き、2枚目以降で詳細な情報を展開するという構成が効果的です。
カルーセル投稿はユーザーの滞在時間を伸ばす効果があり、アルゴリズム上でも高く評価されやすい傾向があります。情報量が多いテーマを扱う際には、無理に1枚に収めようとせず、カルーセル形式で見やすく分割することをお勧めします。
ユーザー参加型コンテンツがブランドとの距離を縮める
一方的な情報発信ではなく、ユーザーが参加できるコンテンツへのシフトも、2026年の大きなトレンドです。双方向のコミュニケーションを促進することで、ブランドとフォロワーの距離が縮まり、エンゲージメントの向上につながります。
ストーリーズ機能を活用したインタラクション
Instagramのストーリーズは、ユーザー参加型コンテンツを展開するうえで最も手軽なツールです。質問ボックス、アンケート、クイズ、スライダーなど、さまざまなインタラクティブ機能が用意されています。
「どちらが好きですか?」「次に見たいコンテンツは?」といった簡単な問いかけでも、ユーザーは気軽に参加できます。こうした小さなインタラクションの積み重ねが、フォロワーとの関係性を深め、アカウントへの親近感を醸成します。
また、ユーザーからの回答やコメントは、次のコンテンツ企画のヒントにもなります。フォロワーが何に興味を持っているのかを直接知ることができる貴重な機会として活用しましょう。
ライブ配信でリアルタイムのつながりを創出
ライブ配信は、編集された投稿では伝わりにくい「リアルな姿」を見せることができるコンテンツです。商品の紹介、イベントの裏側、スタッフへのQ&Aなど、さまざまな活用方法があります。
たとえば、女性向けアパレルブランドの「Honeys」は、Instagramライブを定期的に実施しています。店舗スタッフが登場し、季節のおすすめアイテムをスタイリングしながら紹介する内容で、視聴者限定のクーポン配布も行っています。実際に着用した姿を見せながら、サイズ感や着回しのポイントをリアルタイムで伝えることで、視聴者の購買意欲を高める工夫がされています。
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ライブ配信の魅力は、視聴者とリアルタイムでコミュニケーションが取れることです。コメントに答えながら進行することで、視聴者は「自分も参加している」という感覚を持つことができます。定期的なライブ配信を行うことで、ファンの定着につなげている企業も増えています。
UGCを促進する仕掛けづくり
ユーザー生成コンテンツ(UGC)は、企業発信のコンテンツよりも信頼されやすく、購買決定に大きな影響を与えます。2026年も、UGCを戦略的に増やす取り組みは重要なテーマです。
ハッシュタグキャンペーン、フォトコンテスト、レビュー投稿への特典付与など、ユーザーが投稿したくなる仕掛けを設計することがポイントです。また、投稿してくれたユーザーのコンテンツを公式アカウントでリポストすることで、投稿者のモチベーションを高め、さらなるUGCの創出につなげることができます。
AI・自動化を取り入れたコンテンツ生成の進化
生成AI技術の進化は、SNSコンテンツの制作プロセスにも大きな影響を与えています。2026年は、AIを「アシスタント」として活用することが当たり前になりつつある年と言えます。
投稿案やキャプション作成の効率化
生成AIを活用することで、投稿のアイデア出しやキャプションの下書き作成を効率化できます。「こういうテーマで投稿したい」というざっくりした方向性を入力すれば、複数の案を瞬時に生成してくれます。
ただし、AIが生成したものをそのまま使うのではなく、自社のブランドトーンに合わせて調整することが重要です。AIはあくまで「たたき台」を作るツールであり、最終的な判断と調整は人間が行う必要があります。
特にキャプションは、ブランドの「声」を伝える重要な要素です。AIに頼りすぎると無機質な印象になりがちなので、人間らしさや温かみを加える工程を忘れないようにしましょう。
画像・動画制作へのAI活用
画像生成AIや動画編集AIも、SNSコンテンツ制作で活用されるようになっています。背景画像の生成、写真の加工、動画のテロップ自動挿入など、従来は時間がかかっていた作業を効率化できます。
たとえば、デザインツール「Canva」には画像生成AI機能が搭載されており、キーワードを入力するだけでイメージに合った画像を生成できます。以下は「SNS」というキーワードで生成した画像の例です。

このように、デザインの専門知識がなくても、AIの力を借りることで視覚的に訴求力のあるコンテンツを作成できるようになっています。
また、動画コンテンツの制作においては、AIによる自動編集ツールが重宝されています。撮影した素材をアップロードするだけで、BGMの挿入やカット編集、テロップ生成まで自動で行ってくれるツールも登場しており、動画制作のハードルは大きく下がっています。以前はリソースの問題で動画に取り組めなかった企業でも、ショート動画を活用しやすい環境が整ってきました。
AIを活用する際の注意点
AIの活用には大きなメリットがある一方で、注意すべき点もあります。
まず、AIが生成したコンテンツが他の投稿と似通ってしまい、独自性が失われるリスクがあります。多くの企業が同じツールを使えば、発信内容が画一的になりがちです。自社らしさを出すための工夫は、これまで以上に重要になります。
また、AIが生成した情報が必ずしも正確とは限りません。特に数値やデータ、専門的な情報については、必ず人間がファクトチェックを行う必要があります。
2026年に向けて企業が注目すべきSNS運用の視点
ここまで2026年のコンテンツトレンドを見てきましたが、トレンドを追うだけでは成果にはつながりません。最後に、企業がSNS運用で成功するために持つべき視点を整理します。
「なぜ流行っているのか」を考える習慣
トレンドの表面的な形式だけを真似しても、同じような成果は得られません。大切なのは、「なぜそのコンテンツがユーザーに支持されているのか」という背景を考えることです。
たとえば、縦長の情報系コンテンツが流行っているのは、ユーザーが「役立つ情報を効率的に得たい」というニーズを持っているからです。この本質を理解していれば、縦長フォーマットにこだわらなくても、ユーザーのニーズに応えるコンテンツを作ることができます。
トレンドを自社に取り入れる際は、「これは自社のターゲットにも当てはまるか」「自社のブランドイメージと合っているか」を検討したうえで判断しましょう。
投稿タイミングとコンテンツの相性
どれだけ質の高いコンテンツを作っても、ターゲットユーザーがSNSを見ていない時間帯に投稿すれば、リーチは限定的になります。
私たちが2025年8月に実施したSNS利用実態調査(全国の15〜79歳の男女3,235名を対象)によると、SNSの利用は主に夜間に集中しており、特に「21〜22時」が最も利用率が高いことがわかっています。YouTubeで48.1%、Xで43.8%、Instagramで41.5%という結果でした。まずはこの時間帯を基本として投稿スケジュールを組み、そこから自社アカウントのインサイトを見ながら微調整していくのが効果的です。
さらに、コンテンツの内容によって投稿タイミングを変える工夫も有効です。たとえば、ランチに関する投稿は午前中に配信することで「今日のお昼はここにしよう」という行動を促しやすくなりますし、週末のお出かけ情報は木曜や金曜に投稿することで計画段階のユーザーに届きやすくなります。夜のゴールデンタイムを軸にしつつ、コンテンツの性質に応じた配信設計を行うことで、より高い効果が期待できます。
分析と改善の継続
2026年のSNS運用で成果を出すためには、トレンドを読み解く力と、地道な運用力の両立が求められます。
どの投稿が反応が良かったのか、どのコンテンツ形式がエンゲージメントを獲得しやすいのか、フォロワーはどのような属性が多いのか。こうしたデータを定期的に分析し、次の施策に活かすことで、運用の精度は着実に向上します。
トレンドは常に変化しますが、「データを見て改善を続ける」という基本姿勢は変わりません。この地道な積み重ねこそが、長期的な成果につながる最も確実な方法です。
まとめ:トレンドを理解し、自社らしく取り入れる
この記事では、2026年に注目されるSNSコンテンツのトレンドと、企業が取り入れる際のポイントを解説してきました。
2026年のSNSコンテンツは、情報の質(縦長・保存されるコンテンツ)、双方向性(ユーザー参加型・UGC)、技術の活用(AI・自動化)という3つの視点で進化しています。
こうしたトレンドを把握しつつも、大切なのは自社の目的やターゲットに合った形で取り入れることです。流行をそのまま真似するのではなく、「なぜそれが支持されているのか」を理解し、自社らしいコンテンツに落とし込むことで、より効果的な発信が可能になります。
ぜひ今回の分析を、今後のコンテンツ企画に活かしてみてください。
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