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【無料・有料】SNSマーケティング分析ツール比較!プロが選ぶおすすめと注意点~成果を最大化するデータ活用術とツールの正しい選び方~

【無料・有料】SNSマーケティング分析ツール比較!プロが選ぶおすすめと注意点

SNSでの情報発信は多くの企業にとって当たり前の活動となりました。しかし、「投稿はしているものの、効果が出ているのか分からない」「感覚的に運用しており、次の一手に迷っている」といった声をお聞きすることも少なくありません。データに基づかないSNSマーケティングは、まさに地図なき航海と言えるでしょう。

その羅針盤となるのが「分析」です。しかし、ただツールを導入すれば良いというわけではありません。自社の目的や規模に合わないツールを選んでしまったり、取得したデータをどう活かせばよいか分からなかったりしては、宝の持ち腐れです。

この記事では、日々クライアントの成果と向き合うSNS運用代行サービスのプロフェッショナルとして、数ある分析ツールの中から本当に成果につながるツールの選び方、そして具体的なおすすめツールを、現場の実例を交えながら徹底的に解説します。

企業向けSNSマーケティング戦略についてより包括的な情報をお求めの方は、企業向けSNSマーケティング戦略の立て方をご確認ください。
企業向けSNSマーケティング戦略の立て方

目次

SNSマーケティングにおける「分析」の本当の重要性

「PDCAを回すために分析が重要だ」という言葉は、マーケティングの世界では常識として語られます。しかし、その本質的な価値は、単に計画と実行を繰り返すこと以上に深いところにあります。プロの現場では、分析がもたらす価値を次の3つの観点から捉えています。

「PDCAを回す」の先へ:分析がもたらす3つの核心的価値

①戦略の「答え合わせ」

まず基本となるのが、立てた戦略や仮説が正しかったのかを検証する「答え合わせ」の役割です。例えば、「30代女性をターゲットにしたこの投稿は、本当にその層に届き、心を動かせたのか?」といった問いに対して、データは客観的な答えを示してくれます。感覚や思い込みではなく、事実に基づいて次の戦略を立てるための土台がここにあります。

効果的な戦略検証の前提となるKPI設定の方法については、SNSマーケティングのKPI設定方法!成功するための指標を解説をご確認ください。

②予期せぬ「宝の山」の発見

しかし、分析の真の価値は、既知の事柄を確認するだけではありません。むしろ、私たちがまだ気づいていない「宝の山」、つまり予期せぬ顧客層やニーズを発見することにこそあります。

これは、私たちが支援するクライアントの実際のデータを見ると非常によくわかります。あるクライアントのLINE公式アカウントで、イベント告知のメッセージを配信した際、全体のクリック率は7.1%でした。この数字だけを見ると「まずまずの成果」と判断してしまうかもしれません。

ところが、データを年齢層別に分解して分析すると、全く違う景色が見えてきます。20代後半のクリック率が2.5%だったのに対し、40代は12.6%、50代以上は11.0%と、40歳以上の層が突出して高い反応を示していたのです。

これが「宝の山」です。表面的な平均値だけを見ていては、この40代以上のエンゲージメントが高い優良顧客層の存在を見逃してしまいます。この発見により、以降の戦略を「40代以上に響くコンテンツを重点的に企画・配信する」という方向へ大きく舵を切ることが可能になりました。結果として、アカウント全体の成果を最大化する道筋が見えたのです。このように、深い分析は、マーケティング戦略そのものを根底から変えるほどの力を持っています。

データ分析による効果測定の基本的な考え方については、SNSマーケティングの効果測定方法とデータ活用のポイントをご確認ください。

③属人化の防止と「再現性」の確保

「あの人のセンスは抜群だ」といった個人の感覚や才能に依存したマーケティングは、その人がいなくなれば機能しなくなります。データに基づいた意思決定は、この「属人化」を防ぎ、成功の「再現性」を確保します

私たちが実施した「SNS運用外注利用実態調査」においても、SNS運用が上手くいっている要因として最も多く挙げられたのは、「データ分析による改善サイクルが実行できている」ことでした。これは、SNSでの成功が偶然の産物ではなく、科学的なアプローチ、つまりデータに基づいた体系的なプロセスから生まれることを明確に示しています。「バズる」といった一過性の現象を追い求めるのではなく、着実に成果を積み上げる基盤を築くことこそ、分析の重要な役割なのです。これは、プロのSNS運用代行サービスが最も重視する点でもあります。

データ分析を活用したPDCAサイクルの回し方については、SNS運用のPDCAを回して成果を最大化する方法をご確認ください。

失敗しない分析ツール選定で見るべき5つのポイント

では、具体的にどのような基準で分析ツールを選べばよいのでしょうか。ここでは、多くの企業が見落としがちなポイントを含め、プロが必ずチェックする5つの基準を解説します。

①対応SNSと自社プラットフォームの整合性

まず基本中の基本ですが、自社が運用している、あるいは今後運用する予定のSNSに対応しているかを確認する必要があります。Instagram、X(旧Twitter)、LINE、Facebook、TikTokなど、ツールによって対応するプラットフォームは異なります。

ここで私たちがクライアントによくお伝えする「落とし穴」は、将来の展開を見据えずにツールを選んでしまうことです。例えば、今はInstagramしか使っていないからとInstagram専用の安価なツールを導入したとします。しかし1年後、事業拡大に伴いTikTokやX(旧Twitter)の運用を始めることになった場合、そのツールは使えなくなり、新たなツールを導入し直す必要が出てきます。これでは、結果的にコストも手間も余計にかかってしまいます。目先の状況だけでなく、中長期的な事業計画と照らし合わせてツールを選ぶ視点が不可欠です。

②機能性:多機能の罠と「本当に必要な機能」の見極め

分析ツールには、競合分析、ハッシュタグ追跡、レポート作成、投稿予約など、様々な機能があります。ここで陥りがちなのが、「多機能なツールほど良い」という思い込みです。

私たちはこれを「多機能の罠」と呼んでいます。実際には、多くの企業が自社の目的とは関係のない複雑な機能に高い料金を支払い、結局ほとんど使っていないというケースは少なくありません。大切なのは、機能の数ではなく、自社のビジネス目標達成に「本当に必要な機能」が備わっているかを見極めることです。例えば、「ウェブサイトへの流入数を増やしたい」という目標があるなら、リンクのクリック計測や参照元分析に優れたツールを選ぶべきです。まずは自社の課題と目標を明確にすることが、賢いツール選びの第一歩となります。

③データの粒度:「何がわかるか」の深さ

「フォロワーが100人増えました」という報告と、「20代女性のフォロワーが150人増え、そのうち30%がInstagram広告経由で流入しました」という報告では、次のアクションにつながる価値が全く異なります。これが「データの粒度」の違いです。

いいね数、フォロワー数といった表面的な指標しか見られないツールでは、先に述べた「宝の山」を発見することはできません。先ほどのクライアント事例のように、友だちの属性(性別、年齢)や流入経路(Instagram経由、知人紹介経由など)といった、より深い粒度のデータを取得できるかが、ツールの価値を大きく左右します。

④使いやすさとサポート体制:見落とされがちな最重要項目

高性能でも、操作が複雑で使いこなせなければ意味がありません。UI(見た目のデザイン)やUX(操作感)が直感的で、チームの誰もがストレスなく使えるかは非常に重要です。

実は、この「使いやすさ」や「人との連携」は、企業が外部パートナーを選ぶ際に最も重視する点でもあります。私たちの調査では、企業がSNS運用代行サービスを選ぶ際に最も重視するポイントとして、料金や実績を抑えて「コミュニケーションがとりやすい担当者であること」が1位になりました。

これは、企業が単なる作業代行ではなく、信頼できるパートナーシップを求めていることの表れです。分析ツールも、いわばマーケティングチームの「デジタルの相棒」です。使いにくいツールや、問い合わせても返事が遅いサポート体制は、チームに摩擦とストレスを生み、良い成果を妨げます。ツールの機能だけでなく、その「使いやすさ」と「サポート品質」も、パートナーを選ぶのと同じくらい真剣に評価すべき項目です。

⑤コストパフォーマンス:月額料金の裏に隠された価値

ツールの料金は月額数万円から数十万円と様々です。この費用を単なる「コスト」として捉えるか、「投資」として捉えるかで、ツールの評価は大きく変わります。

考えるべきは、「このツールを導入することで、チームの誰が、何の作業を、月に何時間短縮できるか?」という視点です。例えば、これまで担当者が丸1日かけて手作業で作成していた月次レポートが、ツールによって10分で自動生成されるようになったとします。その削減できた時間で、より創造的な企画立案や顧客とのコミュニケーションに時間を使えるようになれば、それは月額料金をはるかに上回る価値(ROI)を生み出す投資と言えるでしょう。

私たちの調査でも、多くの企業がSNS運用に月額31万円から100万円以上を投資している実態が明らかになっています。成果を出すためには相応の投資が必要であるという認識が広まる中で、分析ツールへの投資は、その効果を最大化するための合理的で効率的な選択肢の一つなのです。

分析ツール導入のROI計測方法については、SNSマーケティングのROI計測方法!費用対効果を最大化するをご確認ください。

【無料ツール編】まずはここから!コストを抑えて始められるおすすめツール

有料ツールは強力ですが、まずはコストをかけずに分析を始めたいという企業も多いでしょう。ここでは、無料で利用できる代表的な分析ツールをご紹介します。

各SNSの公式分析ツール(インサイト)

Instagramの「インサイト」、X(旧Twitter)の「アナリティクス」、Facebookページの「インサイト」など、各プラットフォームには標準で分析機能が備わっています。これらの公式ツールを使えば、リーチ数、インプレッション数、フォロワーの属性といった基本的なデータを確認できます。まずはこれらの数値を日々チェックし、どのような投稿が反応が良いのか、肌感覚を掴むことが重要です。

Googleトレンド

世の中のトレンドや、特定のキーワードがどのくらい検索されているかの推移を調べることができる無料ツールです。SNSでキャンペーンを企画する際に、関連キーワードの需要が高まる時期を予測したり、複数のキーワードの人気度を比較したりするのに役立ちます。

Yahoo!リアルタイム検索

X(旧Twitter)に投稿された内容を、リアルタイムで検索・確認できる無料サービスです。自社の商品名やサービス名で検索することで、ユーザーの率直な感想(口コミ)を収集したり、特定のキーワードが現在どれくらい話題になっているかを把握したりするのに便利です。

公式・無料ツールだけで終わってはいけない理由:プロが見る「限界点」

これらの無料ツールは手軽で有用ですが、本格的な分析を行う上ではいくつかの「限界」があります。この限界を理解することが、次のステップに進むための鍵となります。

  • データの保存期間 :公式ツールの多くは、分析できるデータが過去28日間や90日間などに限定されています。 
  • 競合分析の欠如 :公式ツールで見られるのは、あくまで自社アカウントのデータのみです。 
  • レポート作成の手間 :レポートとして活用するには手作業で数値をまとめる必要があり、時間がかかります。 
  • 分析の深さ :「どのハッシュタグ経由の投稿がウェブサイトクリックに繋がったか」といった、複数のデータを掛け合わせた深い分析が困難です。

分析結果を効果的にまとめるレポート作成方法については、SNS運用レポートの作り方!データを活用して戦略を改善をご確認ください。

【有料ツール5選】本格的な分析で成果を最大化するおすすめツール

ここでは、無料ツールでは物足りなくなった企業や、より本格的な分析を目指す企業向けに、プロの現場でも実際に活用されている代表的な有料ツールを5つ厳選してご紹介します。

SocialInsight:複数SNSの一括管理と詳細な口コミ分析に強み

複数のSNSを運用している企業にとって、非常に強力な味方となるのが「SocialInsight」です。複数アカウントを一つのダッシュボードで一元管理できる点や、「テキストマイニング」といったソーシャルリスニング機能が特徴です。

  • こんな企業におすすめ :複数のSNSチャネルを運用している企業や、ブランドの評判管理、顧客の声を商品開発やサービス改善に活かしたいと考えている企業に最適です。 
  • プロの現場での活用例 :全国に店舗を展開する小売業などの案件で活用します。全店舗に関わるブランド言及をリアルタイムで監視し、クレームの火種を早期に発見したり、好意的な口コミ(UGC)を次の施策に活用したりします。

SINISforInstagram:Instagram特化型の深い分析を実現

「SINISforInstagram」は、その名の通りInstagramの分析に特化した専門ツールです。公式インサイトでは追いきれない「保存率」や「ホーム率」といった、アルゴリズム攻略に不可欠な重要指標を詳細に分析できるのが最大の強みです。無料のLITEプランから始められる手軽さも魅力です。

  • こんな企業におすすめ :ECサイト、美容、ファッション、飲食店など、ビジュアルでの訴求が重要なBtoCビジネスで、Instagramをメインの集客チャネルとしている企業。 
  • プロの現場での活用例 :単なる「いいね」の数ではなく、投稿がユーザーにとってどれだけ有益だったかを示す「保存率」を徹底的に分析します。これにより、「何度も見返したい」と思われるコンテンツの傾向を掴み、ファンとの長期的な関係を築くための投稿戦略を立案しています。

Instagramを活用したBtoC企業の戦略については、Instagramを活用したBtoC企業の成功事例と運用ポイントをご確認ください。

Brandwatch:市場の声を聴く「ソーシャルリスニング」の最高峰

「Brandwatch」は、自社アカウントの分析にとどまらず、SNSやブログ、ニュースなどインターネット上に存在する膨大な会話を監視・分析する「ソーシャルリスニング」の分野で最高峰に位置づけられるツールです。非常に高機能である分、価格帯も高額なため、主に大企業やPR会社向けのツールと言えます。

  • こんな企業におすすめ :グローバルに展開する大企業、評判管理が極めて重要な業界(製薬、金融など)、あるいは大規模な新商品ローンチを控えている企業。 
  • プロの現場での活用例 :新製品発表を控えるクライアントに対し、発売前の消費者感情の分析やインフルエンサー特定に活用します。発売後はリアルタイムで会話をモニタリングし、ネガティブな話題への迅速な対応体制を構築します。

comnicoMarketingSuite:チームでの運用と承認フローを円滑に

「comnicoMarketingSuite」は、複数部署が関わるようなチームでのSNS運用を円滑にするための機能に優れています。投稿前の「承認フロー」機能は、コンプライアンス遵守やブランドイメージの統一に役立ちます。

  • こんな企業におすすめ :複数人や複数部署でアカウントを運用している企業、あるいはクライアントの投稿内容を代理で作成し、承認を得る必要がある広告代理店やSNS運用代行サービス。 
  • プロの現場での活用例 :金融や医療といった規制の厳しい業界のクライアントを支援する際、承認の記録(監査証跡)が残るため、リスク管理の観点から不可欠です。

TofuAnalytics:キャンペーン分析とインフルエンサー特定に特化

「TofuAnalytics」は、特にSNSキャンペーンの効果測定とインフルエンサーマーケティングの最適化に強みを持つツールです。投稿が拡散される過程を分析し、本当に影響力のあるインフルエンサーを特定する機能がユニークです。

  • こんな企業におすすめ :新商品の発売キャンペーンや、インフルエンサーを起用したPR施策を頻繁に実施する企業。 
  • プロの現場での活用例 :起用したインフルエンサーの投稿に反応したフォロワーの中から、さらに熱量の高い口コミを投稿している「マイクロインフルエンサー」を特定します。こうした「真のファン」を次のPR施策で起用することで、より信頼性が高く、効果的なキャンペーンを展開することが可能になります。

実際のSNSキャンペーン成功事例については、BtoC企業のSNSキャンペーン成功事例!をご確認ください。

有料ツール比較サマリー表

ツール名主な特徴こんな企業におすすめ料金目安
SocialInsight複数SNS一括管理、口コミ分析複数チャネルを運用する企業、顧客の声を重視する企業月額50,000円〜
SINISforInstagramInstagram特化の詳細分析Instagramが主力のBtoC企業無料プランあり、有料プランは月額10,000円〜
Brandwatch高度なソーシャルリスニング大企業、PR・評判管理を重視する企業高額(月額10万円〜)
comnicoMarketingSuiteチーム運用、承認フロー複数人・部署で運用する企業、代理店月額50,000円〜
TofuAnalyticsキャンペーン分析、インフルエンサー特定キャンペーンやインフルエンサー施策が中心の企業月額10,000円〜

まとめ:ツールは「武器」。それを活かす「戦略」こそが本質

SNSマーケティングの成功は、一発逆転の「バズ」を狙うことではなく、データを通じて顧客を深く理解し、再現性のある戦略を地道に構築していくことにあります。そのための第一歩が、日々の活動を「数字」で振り返る習慣を持つことです。

これから分析を始める方は、まず各SNSの公式インサイトや無料ツールに慣れ親しむことからスタートしましょう。そして、本記事で解説したような「限界」を感じ始めた時が、有料ツールの導入を検討するタイミングです。ツールはあくまで強力な武器であり、データを提供してくれる存在です。そのデータをどう解釈し、次のアクションにどう活かすかという「戦略」の部分こそが、成果を分ける最も重要な要素となります。もし、データの分析や、それに基づいた効果的なコンテンツを継続的に作り出すことに課題を感じるようであれば、専門知識を持つSNS運用代行サービスのような外部パートナーと連携することも、事業成長を加速させる有力な選択肢となるでしょう。

データに基づく戦略的なSNS運用の成功事例については、SNS運用代行の成功事例5選!売上・フォロワー増加・ブランド強化の実例をご確認ください。

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