LINEは日本国内で9,800万人以上が利用するコミュニケーションプラットフォームであり、企業のマーケティング活動において欠かせないツールとなっています。私たちが2025年8月に実施したSNS利用実態調査でも、LINEの利用率は全体で90.2%と圧倒的に高く、「ほぼ毎日」利用するユーザーが63.2%にのぼります。これほど日常生活に浸透しているSNSは他にありません。
しかし、LINE公式アカウントを開設したものの、「メッセージを送っても開封されない」「友だち登録は増えてもすぐにブロックされる」「売上にどう繋がっているのかわからない」といった課題を抱える企業担当者は少なくありません。
その原因の多くは、LINEというプラットフォームの特性を理解しないまま運用していることにあります。LINEは他のSNSとは異なる独自の仕組みを持っており、InstagramやXと同じ感覚で運用しても成果は出にくいのです。
この記事では、LINEの特性やアルゴリズムの考え方を解説し、顧客との関係構築を強化するための具体的な運用ポイントを紹介していきます。
LINEの特性と「アルゴリズム」の考え方
LINEは「プッシュ型」のコミュニケーションツール
LINEが他のSNSと決定的に異なるのは、フィードに投稿が流れる「プル型」ではなく、友だち登録したユーザーに直接メッセージを届ける「プッシュ型」であるという点です。
InstagramやX、TikTokでは、アルゴリズムがユーザーの興味関心に基づいて投稿を選別し、フィードやおすすめに表示します。つまり、投稿がユーザーの目に届くかどうかは、アルゴリズムの評価次第です。
一方、LINE公式アカウントでは、友だち登録してくれたユーザーに対して、企業側から直接メッセージを送ることができます。メッセージはユーザーのトーク一覧に表示され、プッシュ通知も届きます。アルゴリズムによる選別を介さず、確実にユーザーの元に届くという点が、LINEの最大の強みです。
LINEにおける「アルゴリズム」とは何か
厳密に言えば、LINE公式アカウントのメッセージ配信には、InstagramやTikTokのような「表示順を決めるアルゴリズム」は存在しません。友だち登録しているユーザー全員(または配信対象に設定したユーザー)にメッセージが届く仕組みです。
ただし、LINEにも「LINE VOOM」というタイムライン機能があり、こちらはアルゴリズムによって表示順が決定されます。しかし、私たちの調査では、LINE VOOMの利用率は全体的に低く、LINEの主な利用目的は圧倒的に「LINEトーク(79.2%)」であることがわかっています。
つまり、LINE公式アカウント運用において重要なのは、フィードのアルゴリズム対策ではなく、開封率・クリック率・ブロック率といった指標を最適化することです。これらの指標が、LINEマーケティングにおける「実質的なアルゴリズム」と言えるでしょう。
LINEの圧倒的な開封率を活かす
LINEの大きな強みは、その開封率の高さです。メールマガジンの開封率が一般的に10%から20%程度と言われる中、LINE公式アカウントのメッセージは、約80%がその日のうちに開封されるというデータがあります。
私たちがLINE運用を支援しているクライアントでも、開封率60%以上を安定して維持しているアカウントが多く、中には80%を超える開封率を記録した配信もあります。この圧倒的なリーチ力を活かせるかどうかが、LINE運用の成否を分けるポイントです。
開封率を高める配信タイミング
メッセージの開封率を高めるためには、ユーザーがLINEをアクティブに利用している時間帯に配信することが基本です。
私たちの調査では、LINEの利用時間帯として最も高いのは「19時から20時台(42.3%)」、次いで「21時から22時台(39.6%)」という結果が出ています。また、「12時から13時台(33.9%)」のランチタイムも比較的高い利用率を示しています。
ただし、最適な配信時間は業種やターゲット層によって異なります。私たちが支援する飲食店では、ランチ前の11時台やディナー前の17時台に配信することで、来店を促す効果を高めている事例もあります。自社のターゲットがどの時間帯にアクティブかを考慮し、配信タイミングを設計してください。
クリック率を高めるリッチメッセージの活用
LINE公式アカウントでは、テキストだけでなく、リッチメッセージやカードタイプメッセージを活用することで、視覚的に訴求力の高い配信が可能です。
リッチメッセージとは、画像全体をタップ可能な領域として設定できる配信形式です。テキストだけの配信と比較して、視認性が高く、クリック率の向上が期待できます。私たちの運用実績では、リッチメッセージを活用した配信の方が、テキストのみの配信よりもクリック率が高くなる傾向が見られます。
また、複数の情報を一度に届けたい場合は、カードタイプメッセージが有効です。横にスワイプして複数のカードを見られる形式で、商品紹介やイベント告知など、選択肢を提示したい場合に適しています。
ブロックを防ぐ配信頻度と内容のバランス
LINE公式アカウント運用で最も避けたいのが、ブロックされることです。一度ブロックされると、そのユーザーには二度とメッセージを届けることができません。
ブロックされる主な原因は、配信頻度が高すぎること、宣伝ばかりの内容でユーザーにとっての価値がないこと、登録時の期待と実際の配信内容にギャップがあることなどが挙げられます。
私たちの支援先では、月に2回から4回程度の配信頻度を基本とし、セール情報だけでなく、ユーザーにとって役立つ情報やコラム的なコンテンツも織り交ぜることで、ブロック率を低く抑えています。「友だちでいてよかった」と思ってもらえる配信を心がけることが大切です。
セグメント配信でパーソナライズする
LINE公式アカウントでは、友だち全員に同じメッセージを送るだけでなく、属性や行動履歴に基づいてセグメント配信を行うことができます。
例えば、年代や性別、居住地域などの属性でセグメントを分けたり、過去のメッセージへの反応に基づいて配信対象を絞り込んだりすることが可能です。私たちが支援するあるレストランでは、配信を「前回の配信を開封したユーザー」に絞って行ったところ、開封率が81.1%という高い数値を記録しました。
興味関心の高いユーザーに絞って配信することで、開封率・クリック率が向上するだけでなく、無駄な配信コストを抑え、ブロック率の低減にもつながります。
リピート促進・ファン化につなげるLINE活用術
クーポンで来店・購入を後押しする
LINE公式アカウントの代表的な機能の一つがクーポン配信です。友だち登録時の特典としてクーポンを配布することで登録を促進したり、定期的にクーポンを配信することでリピート来店を促したりすることができます。
私たちの調査では、LINEで商品・サービスの購入を決めた情報源として「企業公式アカウントのクーポン」が44.1%と高い数値を示しており、クーポンが購買行動に直結していることがわかります。
ただし、クーポンばかりを配信していると、「クーポンがないと来店しない」顧客を増やしてしまうリスクもあります。クーポンはあくまで来店のきっかけとして活用し、店舗での体験やサービスの質で満足度を高め、クーポンがなくてもリピートしてもらえる関係性を築くことが理想です。
ショップカードでリピートを習慣化する
ショップカード機能は、従来の紙のポイントカードをLINE上で実現できる機能です。来店や購入のたびにポイントを付与し、一定ポイントが貯まると特典を受けられる仕組みを作ることで、リピート来店を促進できます。
私たちが支援するある飲食店では、ショップカードを導入し、特典チケットの使用率が65%を超えるという成果を上げています。紙のポイントカードと異なり、忘れたり紛失したりする心配がないため、継続的に利用してもらいやすいのがメリットです。
ステップ配信で顧客を育成する
ステップ配信とは、友だち登録からの経過日数に応じて、あらかじめ設定したメッセージを自動で配信する機能です。例えば、登録翌日にお店の紹介、3日後におすすめメニューの案内、1週間後にクーポン配布といった流れを自動化できます。
この機能を活用することで、新規の友だちに対して段階的に情報を届け、来店や購入へと導く「顧客育成」の仕組みを構築できます。一度設定すれば自動で配信されるため、運用の手間を減らしながら継続的なコミュニケーションが可能になります。
成功事例に学ぶLINEマーケティングの実践
地方の和食店:広告を使わず1年間で友だち8000人獲得
私たちがLINE運用を支援しているある地方の和食店では、広告を使わずに1年間で友だち数8000人以上を獲得しました。
この店舗では、定期的なメッセージ配信でメニュー紹介だけでなく、大将のこだわりや季節の食材の話など、読み物としても楽しめるコンテンツを発信しています。また、不定期で抽選キャンペーンを実施し、1週間で200名を超える来店につながった事例もあります。
お客様からは「次の配信を楽しみにしている」という声もいただいており、単なる宣伝ツールではなく、お店とお客様をつなぐコミュニケーションの場としてLINEが機能しています。
ホテルレストラン:グルメサイトを解約しLINE予約に集約
私たちが支援するあるホテルレストランでは、複数のグルメサイトに掲載していた予約をLINEに集約しました。グルメサイトの月額費用がかさみ、費用対効果が出にくくなっていたことが背景にあります。
LINEチャットを活用した予約対応により、オーバーブッキングの心配がなくなり、効率的な運営が可能になりました。結果として、LINEから月間684名の来店につながり、開封率も70%を超える水準を維持しています。チラシの印刷代も削減でき、コスト面でも大きな改善が見られました。
商業施設:ミニアプリでスタンプラリーを実施し回遊促進
私たちが支援するある商業施設では、LINEミニアプリを活用したスタンプラリー企画を実施しました。施設内の複数店舗を回ってスタンプを集めると特典がもらえる仕組みで、モール内での滞在時間と回遊率の向上に成功しています。
また、アンケート結果をもとにユーザーの趣味や興味に応じた情報を個別配信することで、ブロック率の低減と情報到達率の向上を実現しました。
まとめ:LINEの特性を活かし、顧客との関係を深める
LINEは、友だち登録したユーザーに直接メッセージを届けられる「プッシュ型」のプラットフォームです。他のSNSのようなフィードアルゴリズムは存在しませんが、メッセージ配信の開封率・クリック率・ブロック率といった指標を意識した運用が、成果を左右します。
成果を出すためのポイントは、ユーザーがアクティブな時間帯に配信すること、リッチメッセージやカードタイプを活用して視覚的に訴求すること、配信頻度と内容のバランスを保ちブロックを防ぐこと、そしてセグメント配信でパーソナライズすることです。さらに、クーポンやショップカード、ステップ配信といった機能を活用することで、リピート促進や顧客育成の仕組みを構築できます。
私たちがLINE運用代行サービスでお伝えしているのは、LINEは「認知拡大」のツールではなく、「関係構築」と「リピート促進」のツールであるということです。友だち登録してくれたユーザーとの関係を深め、長期的なファンへと育てていく。その積み重ねが、最終的な売上やLTV向上につながります。
LINEの特性を正しく理解し、顧客にとって価値のある配信を続けること。それが、LINE公式アカウント運用で成果を出すための王道です。
LINEは単なるメッセージ配信ツールではなく、顧客との絆を深め、長期的なファンを育てるためのプラットフォームです 。私たちは高度なセグメント配信やステップ配信を駆使し、貴社のビジネス成長に貢献する「愛される運用」を徹底サポートいたします。
✓東証プライム上場グループの知見を活かした戦略設計
✓EC運用代行のノウハウを活かし、LINEからの直接購入やリピート利用を最大化
✓アプリ開発やリサーチ等のグループ連携により、ミニアプリ活用等の高度な施策も可能
私たちは「認知拡大で終わらせない、売るための運用」を掲げ、戦略設計から販売・リピート促進までを一貫してサポートします 。貴社のビジネスを加速させる最適なパートナーとして、まずは現状の課題をお聞かせください。

