「Facebookはもう古い」「若い世代は使っていない」という声を最近よく耳にします。確かに、InstagramやTikTokといった新しいプラットフォームに注目が集まる中、Facebookの存在感は以前ほどではないかもしれません。しかし、私たちが日々クライアント様の支援をさせていただく中で実感するのは、Facebookは今でも特定の層に対して圧倒的な影響力を持つ、極めて費用対効果の高いマーケティングツールだということです。
今、あらためて注目されるFacebookマーケティング
Facebookは一時期に比べると若年層の利用が減ったとはいえ、依然として40代以上を中心に強い影響力を持つSNSです。特にBtoBや地域密着型ビジネスにおいては、広告費対効果が高いメディアとして注目を集めています。
実際、私たちの2025年3月の調査データによると、40代以上のFacebook利用率は依然として高く、特に50代では他のSNSと比較しても安定した利用頻度を維持しています。さらに興味深いのは、この年代層の購買力の高さです。若年層向けのトレンドを追うマーケティングに疲弊し、「もっと地に足のついた、確実に成果につながる施策はないか」とご相談いただく企業様が増えています。そんな時に私たちがご提案するのが、購買力の高い層に直接アプローチできるFacebookマーケティングなのです。
今回は、そんなFacebookを活用して成果を上げた企業のマーケティング成功事例を5つご紹介します。どの事例も、派手な演出や大規模な予算を必要としない、地道な運用と戦略的な改善の積み重ねによって達成された成果です。
地方の飲食店が予約数200%増加―Facebook広告の活用法とは?
「Facebook広告を出しても、いいねは増えるけど来店にはつながらない」。私たちがよくお聞きする悩みです。多くの飲食店経営者の方が、Facebook広告の効果に疑問を持たれているのが実情です。しかし、それは広告の使い方を間違えているだけかもしれません。
私たちが支援させていただいた、ある地方都市の和食店の事例をご紹介しましょう。この店舗は、開店から3年目を迎えていましたが、新規顧客の獲得に苦戦していました。グルメサイトへの広告費は月額10万円を超え、費用対効果に疑問を感じ始めていた時期でした。
ターゲティングの精度が成功のカギ
この店舗がFacebook広告で成功した最大の要因は、徹底的なターゲティングでした。まず、既存顧客のデータを分析したところ、40代から60代の女性が全体の65%を占めていることが判明しました。さらに、来店動機を調査すると「記念日利用」が43%と最も多いことがわかりました。
これらのデータを基に、Facebook広告のターゲティングを以下のように設定しました。
| ターゲティング項目 | 設定内容 |
|---|---|
| 年齢 | 40歳〜65歳 |
| 性別 | 女性 |
| 地域 | 店舗から半径5km以内 |
| 興味関心 | 日本料理、グルメ、記念日 |
| 行動 | 記念日が近い人 |
特に効果的だったのが、「記念日が近い人」という行動ターゲティングです。Facebookは利用者の誕生日情報を持っているため、配偶者や家族の誕生日が近づいている人に対してピンポイントで広告を配信できます。
クリエイティブの工夫で訴求力を向上
広告のクリエイティブも重要な要素でした。最初は料理の写真だけを使用していましたが、効果は限定的でした。そこで、実際の記念日利用シーンを撮影した動画広告に切り替えたところ、クリック率が2.3倍に向上しました。
動画の内容は、60代の夫婦が結婚記念日を祝う15秒のショートムービーです。料理のクローズアップよりも、お客様の笑顔と店内の温かい雰囲気を前面に出すことで、「ここで大切な人と過ごしたい」という感情に訴えかけることができました。
結果として、Facebook広告を開始してから3ヶ月で、予約数は前年同期比200%を達成しました。広告費は月額3万円程度と、グルメサイトの3分の1以下に抑えることができ、費用対効果は大幅に改善されました。
製造業がBtoB商談を獲得―リードジェネレーションにFacebookを使う方法
BtoBビジネスにSNSは向かない、そう思い込んでいる経営者の方は少なくありません。確かに、消費者向けの派手なキャンペーンは効果が薄いかもしれません。しかし、FacebookはBtoBのリードジェネレーション(見込み客獲得)においても、極めて有効なツールなのです。
私たちが支援した製造業の企業は、産業用機械の部品を製造する従業員50名ほどの中堅企業でした。展示会への出展が主な営業手段でしたが、コロナ禍で展示会が中止となり、新規開拓に苦戦していました。
ホワイトペーパーを活用した情報提供型マーケティング
この企業が採用したのは、ホワイトペーパー(技術資料)を活用した情報提供型のマーケティングでした。まず、自社の技術力を活かした「製造現場の生産性向上ガイド」という20ページのPDF資料を作成しました。内容は、実際の導入事例を交えた具体的なノウハウ集です。
このホワイトペーパーをFacebook広告で配信する際、以下のような戦略を取りました。
| 施策内容 | 具体的な実施方法 |
|---|---|
| ターゲット設定 | 製造業の経営者・工場長・生産管理責任者 |
| 広告文言 | 「無料ダウンロード」を強調し、売り込み感を排除 |
| ランディングページ | 資料請求フォームはシンプルに(会社名・氏名・メールアドレスのみ) |
| フォローアップ | ダウンロード後、段階的にメールで情報提供 |
決定者へのダイレクトなアプローチが可能に
Facebookの強みは、役職や業界を指定してターゲティングできることです。LinkedInほど詳細ではありませんが、「製造業」「経営者」「工場長」といったキーワードで絞り込むことができます。
さらに効果的だったのが、類似オーディエンス機能の活用です。既存顧客のメールアドレスをFacebookにアップロードし、その顧客と似た属性を持つユーザーに広告を配信しました。これにより、自社製品に興味を持ちそうな潜在顧客に効率的にアプローチできました。
結果として、月間50件以上の資料請求を獲得し、そのうち約20%が商談につながりました。展示会1回あたりの費用が200万円以上かかっていたことを考えると、月額10万円程度のFacebook広告費で同等以上の成果を得られたことは、大きな成功と言えるでしょう。
小売店がリピーター獲得に成功―Facebookページの運用術
地域密着型の小売店を経営されている方からは、SNSマーケティングに対して懐疑的な声をお聞きします。若い人向けのツールという印象が強いようですが、実際には地域のお客様とつながるツールとして、Facebookほど適したSNSはありません。
私たちが支援した、ある地方都市の雑貨店は、開店から10年以上経つ老舗でしたが、常連客の高齢化と新規顧客の獲得に課題を抱えていました。そこで始めたのが、Facebookページを活用した顧客コミュニケーションでした。
日常の投稿で信頼関係を構築
この店舗が実践したのは、商品の宣伝ではなく、店舗の日常を伝える投稿でした。新商品の入荷情報だけでなく、スタッフの何気ない一言や、お客様とのエピソード、地域のイベント情報などを毎日投稿しました。
投稿内容の配分は以下のようになっていました。
| 投稿カテゴリー | 割合 | 具体例 |
|---|---|---|
| 商品紹介 | 30% | 新商品の使い方提案、商品誕生ストーリー |
| 店舗の日常 | 40% | スタッフの一日、店内の模様替え、お客様の声 |
| 地域情報 | 20% | 近隣イベント告知、地域の話題 |
| お役立ち情報 | 10% | 季節の暮らしのヒント、商品のお手入れ方法 |
コメント対応で生まれる親近感
最も効果的だったのは、すべてのコメントに丁寧に返信することでした。「素敵ですね」という一言のコメントにも、「ありがとうございます。〇〇様のお気に入りが見つかると嬉しいです」と個別に返信しました。
この地道な対応により、Facebookページは単なる情報発信の場から、お客様との交流の場へと変化しました。常連客が新商品の感想を投稿したり、他のお客様におすすめ商品を紹介したりと、コミュニティとしての機能を持つようになったのです。
6ヶ月後の成果として、リピート率が35%から52%に向上しました。さらに、Facebook経由で来店したお客様の平均購買単価は、他の経路の1.4倍という結果も出ています。これは、事前にFacebookで商品や店舗の雰囲気を知っているため、購買意欲が高い状態で来店するためだと分析しています。
採用強化を実現―Facebookでつながる次世代の人材
人材不足は多くの企業が抱える深刻な課題です。求人広告費は高騰し、応募があっても自社にマッチする人材かどうかわからない。そんな悩みを解決する手段として、Facebookを活用した採用活動が注目されています。
私たちが支援したIT企業は、従業員30名ほどの中小企業でした。エンジニアの採用に年間300万円以上の費用をかけていましたが、思うような成果が得られていませんでした。
企業文化を伝える投稿戦略
この企業が実践したのは、会社の雰囲気や文化を伝える投稿を継続的に行うことでした。求人情報だけでなく、社員の一日、開発現場の様子、社内イベントの模様などを定期的に発信しました。
特に効果的だったのが、社員インタビュー動画の投稿です。実際に働いている社員が、仕事のやりがいや会社の魅力を自分の言葉で語る3分程度の動画を月2回投稿しました。これにより、求職者は入社後の自分をイメージしやすくなりました。
ターゲティング広告で効率的な母集団形成
求人広告もFacebookの強力なターゲティング機能を活用しました。プログラミング言語や開発ツールに興味がある人、IT系の学部出身者など、自社が求める人材像に近い属性を持つユーザーに絞って広告を配信しました。
さらに、社員の友人や知人にリーチする「つながり」ターゲティングも活用しました。社員がFacebookページに「いいね」をすることで、その友人のタイムラインに求人情報が表示される仕組みです。これにより、社員紹介に近い形で質の高い応募者を集めることができました。
結果として、6ヶ月間で15名の応募があり、3名の採用に成功しました。採用単価は従来の3分の1以下に抑えることができ、さらに採用した人材の定着率も高いという成果を得ています。
オンライン講座の売上が3倍に―動画広告とイベント機能の連動活用
教育ビジネスにおいて、集客は永遠の課題です。特にオンライン講座は競合が多く、差別化が難しいのが実情です。そんな中、Facebookの動画広告とイベント機能を効果的に組み合わせることで、大きな成果を上げた事例があります。
私たちが支援した教育系企業は、ビジネススキル向上のためのオンライン講座を提供していました。月額9,800円のサブスクリプション型サービスでしたが、新規会員の獲得に苦戦していました。
動画広告で価値を体感してもらう
この企業が採用したのは、講座の一部を無料公開する動画広告でした。5分程度の動画で、実際の講座内容の一部を視聴できるようにしました。単なる宣伝動画ではなく、視聴するだけで何か一つスキルが身につく内容にしたことがポイントです。
動画の構成は以下のようになっていました。
| 時間 | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 0〜30秒 | 問題提起と共感 | 視聴者の課題意識を喚起 |
| 30秒〜3分30秒 | 具体的なノウハウ解説 | 価値提供による信頼構築 |
| 3分30秒〜4分30秒 | 実践例の紹介 | 効果の実感 |
| 4分30秒〜5分 | 講座の案内 | 行動喚起 |
イベント機能で参加のハードルを下げる
さらに効果的だったのが、Facebookイベント機能を活用した無料体験会の開催でした。月2回、オンラインで無料体験講座を開催し、そのイベントページをFacebook広告で宣伝しました。
イベント機能の利点は、「興味あり」ボタンを押すだけで、開催日にリマインド通知が届くことです。申込みフォームへの入力という心理的ハードルがないため、気軽に参加意思を示すことができます。
また、友人が「参加予定」にしているイベントは、タイムラインに表示されやすくなります。これにより、口コミ効果による自然な拡散も期待できました。
この施策により、月間の新規会員数は3倍に増加し、売上も同様に3倍となりました。特に注目すべきは、Facebook経由で入会した会員の継続率が他の経路より20%高いことです。これは、動画やイベントを通じて、サービスの価値を十分に理解した上で入会しているためだと考えられます。
成功の裏にある共通点と、明日からできる実践ポイント
5つの成功事例をご紹介してきましたが、これらの事例には明確な共通点があります。それは、「明確なターゲティング」「継続的な運用」「ユーザーとの関係構築」の3つです。
明確なターゲティングが成果への第一歩
どの事例でも、誰に向けて発信するのかが明確でした。年齢、性別、興味関心、行動パターンなど、Facebook広告の詳細なターゲティング機能を最大限に活用していました。私たちの2024年12月の調査データでも、SNS運用が上手くいっている企業の共通要因として「データ分析による改善サイクルが実行できている」ことが挙げられています。
重要なのは、推測ではなくデータに基づいてターゲットを設定することです。既存顧客の分析から始め、そのデータを基にFacebook広告のターゲティングを調整していく。この地道な作業が、高い費用対効果を生み出します。
継続的な運用がファンを生み出す
SNSマーケティングで最も多い失敗は、短期間で成果を求めすぎることです。今回ご紹介した成功事例は、いずれも3ヶ月以上の継続的な運用によって成果を上げています。
特にFacebookページの運用においては、毎日の投稿とコメント対応が信頼関係の構築につながりました。「バズる投稿」を狙うのではなく、日々の小さな積み重ねが、結果として大きな成果を生み出すのです。
ユーザーとの関係構築が本質的な価値
最後に、すべての事例で共通していたのは、一方的な宣伝ではなく、ユーザーとの関係構築を重視していたことです。価値ある情報の提供、丁寧なコメント対応、コミュニティの形成など、ユーザーにとって価値のある存在になることを目指していました。
私たちがSNS運用代行サービスを通じて常にお伝えしているのは、「認知拡大で終わらせない、売るための運用」の重要性です。それは単に商品を売り込むことではなく、顧客との長期的な関係を築き、結果として売上につなげるということなのです。
Facebookマーケティングを成功させるために、明日から実践できることは明確です。まず、自社の顧客データを分析し、ターゲットを明確にしてください。そして、そのターゲットに向けて、価値ある情報を継続的に発信してください。派手なキャンペーンは必要ありません。地道な改善と継続的な運用こそが、Facebookマーケティング成功への確実な道筋なのです。
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