LINE公式アカウントでの情報発信において、「誰に」「何を」届けるかは成果を左右する重要な要素です。
基本的なセグメント配信は多くの方が活用されていますが、ライバルと差をつけるには、もう一歩踏み込んだ戦略が欠かせません。
2025年1月に公開した前回の記事『【2025年最新】LINE公式アカウントのセグメント配信とは?設定方法や活用事例まで徹底解説!』では、セグメント配信の基礎を解説しました。
今回はその応用編として、基礎は理解しているものの「いまいち成果に繋がらない」「もっとクリック率やコンバージョン率を高めたい」と感じている運用担当者の方向けに、成果を最大化するためのより戦略的なオーディエンス活用術を解説します。
なぜ今「応用戦略」が必要なのか?
一斉配信は、ブロック率を高める大きな要因の一つです。ユーザーは自分に関心のない情報が届けば、すぐに通知をオフにしたり、ブロックしたりしてしまいます。
顧客一人ひとりの興味や行動に合わせたメッセージを届けることで、「自分向けの特別な情報だ」と感じてもらい、開封率やクリック率の向上、そして最終的な売上へと繋げることができます。
本記事で紹介する応用戦略を取り入れ、顧客との関係性をより深めていきましょう。
【応用1】クリック/インプレッションオーディエンスで「温度感」を測る
過去に配信したメッセージへの反応を利用して作成する「オーディエンスセグメント」は、ユーザーの「温度感」を測るための強力なツールです。
・クリックリターゲティング: 過去のメッセージに含まれるリンクをクリックしたユーザー
・インプレッションリターゲティング: 過去のメッセージを開封した(インプレッションがあった)ユーザー
活用シナリオ:関心度に応じたアプローチの変更
ただ設定するだけでなく、以下のように「関心度の段階」に応じてアプローチを変えるのがポイントです。
ユーザー層 | オーディエンス設定 | アプローチ戦略例 |
高関心層 | 直近30日以内に配信した A商品の告知をクリックしたユーザー |
A商品の購入者限定クーポンや、関連商品の情報を配信し、 購入を後押しする。 |
中関心層 | A商品の告知を開封したが、 クリックはしていないユーザー |
A商品の「お客様の声」や「開発秘話」など、 購入を迷っている人の背中を押すようなコンテンツを配信する。 |
低関心層 | 過去90日間、どのメッセージも 開封していないユーザー |
「お久しぶりです!人気商品ランキング」のような、 再度興味を引くための特別なコンテンツや、 アンケートを兼ねたクーポンを配信して反応を見る。 |
このようにユーザーの反応を「層」で捉え、それぞれに最適化したメッセージを送ることで、配信の無駄打ちをなくし、ブロック率を下げながら効果を高めることができます。
【応用2】LINE Tag活用で「ウェブサイトの行動」を捉える
LINE Tagを自社サイトに設置することで作成できる「ウェブサイトトラフィックオーディエンス」は、オフライン(LINE)とオンライン(ウェブサイト)の顧客行動を繋ぐ鍵となります。
「友だちではあるけれど、ウェブサイトでどんな行動を取っているか」を把握し、セグメントに活用できます。
活用シナリオ:サイト行動履歴に基づいた追客メッセージ
ユーザーの行動 | アプローチ戦略例 |
商品Aのページを閲覧したが、 購入しなかった |
「ご覧いただいた商品Aはいかがでしたか?今なら送料無料です」といったリマインドメッセージを送る。 |
料金プランのページを閲覧した | 「料金プランでご不明な点はございませんか?個別相談会のご案内」など、検討ステップを進めるためのコンテンツを送る。 |
商品をカートに入れたが、 決済しなかった(カゴ落ち) |
「カートにお忘れ物はございませんか?」という直接的なリマインドや、限定クーポンを送って購入完了を促す。 |
この手法は、顧客がまさに興味を持っている瞬間に、最適な情報を届けることができるため、非常に高い効果が期待できます。
※注意点: ウェブサイトトラフィックオーディエンスの利用には、LINE Tagの設置と、オーディエンスデータが蓄積されるまでの期間が必要です。
【応用3】ステップ配信とセグメントを組み合わせた自動化シナリオ
「ステップ配信」は、友だち追加からの日数や特定の条件に応じて、あらかじめ設定したメッセージを自動で配信する機能です。
このステップ配信にセグメントの考え方を組み合わせることで、手間をかけずに高度なパーソナライズが実現できます。
活用シナリオ:友だち追加後の興味分岐
1.友だち追加3日後:
全員にアンケート形式のメッセージを配信。「Aに興味がある」「Bに興味がある」といった選択肢を提示。
2.分岐:
・「A」をクリックしたユーザーを「A興味セグメント」のオーディエンスに追加。
・「B」をクリックしたユーザーを「B興味セグメント」のオーディエンスに追加。
3.パーソナライズ配信:
・A興味セグメントには、Aに関連するステップ配信を開始。
・B興味セグメントには、Bに関連するステップ配信を開始。
最初にユーザー自身に興味のある分野を選んでもらうことで、その後のミスマッチを防ぎ、高いエンゲージメントを維持したままコミュニケーションを自動化できます。
配信前にチェック!セグメント配信の注意点
対象人数が50人未満だと配信できない:
作成したセグメントの対象となる友だちが49人以下の場合、メッセージを配信することができません。あまりに細かくセグメントを分けすぎないよう注意しましょう。
オーディエンスのデータは即時反映ではない:
特にウェブサイトトラフィックオーディエンスなどは、データが蓄積・反映されるまでに時間がかかります。余裕を持った施策設計が必要です。
属性データはあくまで「みなし属性」:
年齢や性別などの属性は、LINEが保有するデータから推計されたものであり、100%正確ではありません。大まかな傾向を掴むための参考値として活用しましょう。
まとめ
今回は、LINE公式アカウントのセグメント配信について、一歩進んだ応用戦略を解説しました。
【応用1】メッセージへの反応で「温度感」を測る
【応用2】LINE Tagで「ウェブサイトの行動」を捉える
【応用3】ステップ配信と組み合わせて「自動でパーソナライズ」する
これらの戦略は、一斉配信から脱却し、「個」に寄り添ったコミュニケーションを実現するための強力な武器となります。まずは一つのシナリオからでも構いません。自社の顧客やサービスに合った活用法を試し、データを見ながら改善を繰り返すことで、必ず成果は向上します。
本記事を参考に、ぜひ次のレベルのLINEマーケティングに挑戦してみてください。
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