SNSでバズる投稿には、必ずといっていいほど共通した「構造」や「流れ」があります。何万というリポストやいいねを生む投稿は、運任せではなく緻密な設計がなされているのです。
この記事では、実際に話題になった「コメダ珈琲店」や「マクドナルド」の投稿をもとに、SNS上で人の心を動かす投稿の共通点をひもときます。特に注目したいのは、大手企業に限らず、中小企業でも“真似できる再現性”があるという点。日々SNSの企画・投稿に取り組む広報・販促担当者に向けて、すぐに活かせる実践的なヒントをお届けします。
事例分析①:コメダ珈琲店「お月見祭」投稿の秘密
今年もコメダのお月見祭を開催!
2024年9月4日(水)よりお月見フルムーンバーガーはじめ7種の商品を季節限定で販売開始!
コメダ珈琲店でお月見祭を堪能しながら、「くつろぎの秋」をお楽しみください。●新ソースでさらにおいしく!ま~るい満月!「お月見フルムーンバーガー」… pic.twitter.com/BQNAjHVw0L
— コメダ珈琲店 (@KomedaOfficial) August 27, 2024
コメダ珈琲店がXで公開した「お月見祭」の投稿は、4.7万リポスト、14万いいねを記録するほどのバズを見せました。その要因を紐解くと、季節性・視覚・テキスト・商品設計のすべてに戦略が込められていることがわかります。
まず注目したいのは、「秋×月見×芋」というSNS上で拡散されやすい“季節ワード”をフル活用したテーマ設計です。ハッシュタグでも人気の高い「お月見」「さつまいも」「秋限定」といった要素を盛り込むことで、投稿を見た瞬間に「今この時期だけ感」が伝わりやすくなっています。
さらに、販売開始が9月初旬という“秋のはじまり”のタイミングに設定されており、「季節が変わるこの時期に何か楽しみたい」というSNSユーザーの感情と見事にリンク。投稿がそのまま“秋の気分スイッチ”となるような仕掛けになっていました。
さらに画像は、1枚で7商品を一挙に紹介するという情報密度の高い設計で、文字と写真が混在する“選ぶ楽しさ”を感じさせる構成に。「見るだけでワクワクする」画像はSNS上で保存・共有されやすく、視覚的拡散力を高めます。
そして投稿文は、通常のXの投稿とは異なり非常に長文。にもかかわらず、各商品の魅力を丁寧に語ることで「読みごたえ=信頼感」が生まれ、ファンの共感を引き出すことに成功しています。
また、SNS投稿設計として見逃せないのが、「おぐらあん+100円」といった“ちょい足し提案”を投稿画像内に直接記載している点です。商品説明の一部ではなく、あえてビジュアルの中に組み込むことで、視覚的に「自分ならどう食べるか」を想像させる設計になっています。このように“追加トッピング”を見せることで、購買だけでなく、「自分流のカスタマイズ」をSNSで共有したくなる心理をくすぐり、ユーザー発信のUGC(投稿)を誘発しやすくなります。投稿を“見せたい・語りたい”ものへと変える、工夫の効いた一文です。
事例分析②:マクドナルド×ちゃお コラボのバズ構造
寄り道マックし〜〜〜ちゃお!!!
5/28(水)~期間限定
もものスムージー&もものミックスフルーツフラッペ発売!詳細・販売店舗はこちら→ https://t.co/E4TJktksNR pic.twitter.com/G4SKgndVnS
— マクドナルド (@McDonaldsJapan) May 24, 2025
2024年春、マクドナルドが「ちゃお」とコラボして発表した投稿は、5.6万リポスト、19万いいねという驚異的な反響を生みました。一見突飛なコラボに見えるこの投稿も、SNS的な“バズ構造”が巧みに仕込まれています。
最大のポイントは、「ノスタルジー×ギャップ」の演出。ちゃおは1990〜2000年代に小学生だった世代にとって、まさに青春の象徴。現在、その世代がSNSをもっともアクティブに使っている20〜30代に突入しており、投稿を見た瞬間「懐かしい!」「これは私の世代!」と心を揺さぶる構成になっていました。
さらに秀逸なのは、“ふざけきったテンション”を公式が全力でやり切っている点です。投稿文の「寄り道マックし〜〜〜ちゃお!!!」というフレーズは、ちゃおの文体に全振りしたコピー。ここで重要なのは、語り口がキャラクターを演じるかのように徹底されていることです。大企業の公式アカウントがここまで振り切ると、「これ本当に公式!?」「ノリ良すぎる」とSNS上で拡散される理由になります。
また、ビジュアル面でも抜かりありません。画像には、過去に『ちゃお』で連載されていた実在の人気キャラクターたちが登場しており、当時読者だった層には一目でわかる“記憶のアイコン”として強烈に刺さります。懐かしいキャラクターとマクドナルドの商品が同じフレームに並ぶことで、「懐かしい×意外性」のギャップが一層強調され、「これは見せたい」「人に話したい」と感じさせる仕掛けに。加えて、誌面風のレイアウトや色づかいも“あの頃のちゃお”の空気感を忠実に再現しており、ビジュアル全体が一つの“ネタ投稿”として完成されていました。
商品自体は、ピーチスムージーやフラッペといったビジュアル映えするものを並べており、スクロール中に思わず目を留めてしまう仕掛けもしっかり。ここでも「かわいい」「飲みたい」といった“体験共有”につながる導線が用意されています。結果として、「買ったよ」「ちゃお感すごい」などのUGCが大量に生まれ、キャンペーンの拡散力が加速しました。
一般企業でもできる!バズ投稿から学ぶ5つの応用法
バズを生み出すのは大手企業だけではありません。投稿の“設計ポイント”さえ押さえれば、中小企業でも共感・拡散を狙えるSNS運用は十分に可能です。
ここでは、先程の事例から導き出した再現性の高いテクニックを5つに分けて紹介します。
① 季節・感情・生活シーンをセットで打ち出す
ただ「秋限定」と言うだけでは、ありふれた印象になりがちです。そこに「読書の秋にぴったり」や「お出かけ前にほっと一息」など、感情や生活風景をセットにすることで、投稿にリアリティが生まれ、共感を呼びやすくなります。
② “ちょい足し提案”で想像をかき立てる
トッピングなどの提案は、投稿文よりも画像に直接盛り込むことで反応が得やすくなります。コメダの「おぐらあん+100円」はその好例で、「追加しようかな」「これ気になる」といった引用リポストが見られ、視覚的な“余白”がユーザーの会話を自然に引き出していました。
③ SNSらしい“ノリ”や語り口で距離を縮める
語尾をのばしたり、擬音を使ったりと、少し砕けたトーンはフォロワーとの距離を近づける武器になります。ただし毎回ではなく、企画の内容やターゲットに合った投稿で取り入れるのがコツ。投稿の雰囲気に応じて“振り切り加減”を調整することで、親しみと好感を両立できます。
④ 懐かしさや“地元ネタ”をあえて活用する
「平成レトロ」「90年代の遊び」など、ノスタルジーを感じるモチーフは特定層に強く刺さります。また、地元ならではのネタや“言い回し”なども投稿素材になります。狭い層に深く届く投稿は、意外と拡散されやすい構造を持っています。
⑤ “1枚で伝える”高密度ビジュアルを設計する
商品や企画の内容を画像1枚に凝縮し、スクロール中に目を引くような設計を意識しましょう。「おすすめ5選」や「選べる楽しさ」をビジュアルで表現するだけで、保存・拡散の対象になりやすくなります。見せ方ひとつで印象は大きく変わります。
まとめ
SNSでバズる投稿には、共通する構造や工夫があります。コメダ珈琲やマクドナルドのような大手企業の事例からも、「季節感の打ち出し方」「ちょい足しの見せ方」「語り口の設計」など、一般企業でも実践できるヒントが多く見えてきました。大切なのは、大きな話題を狙うよりも、投稿を見た人の感情や行動を自然に引き出せる“設計力”を磨くこと。
今回ご紹介したポイントを、自社の投稿にも少しずつ取り入れていくことで、着実にエンゲージメントの高いアカウントへと育てていけるはずです。
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