「SNS広告っていくらかかるの?」これは私たちが最もよく受ける質問です。多くの企業担当者が「予算が少ないから無理」「大企業じゃないと効果が出ない」という思い込みを持っています。しかし実際は、月額3万円の予算でも、適切な戦略があれば十分な成果を出せます。一方で、予算設定を誤ると月100万円使っても成果が出ないことも。この記事では、私たちの豊富な運用実績から導き出した、各SNS広告の実際の費用相場と、成果を出すための予算設定の考え方を詳しく解説します。
SNS広告の費用とは?基本と主要プラットフォームの特徴
SNS広告の仕組みと課金方式
SNS広告はオークション形式で配信枠を競り落とす仕組みです。つまり、同じターゲットを狙う競合が多いほど、広告費用は高くなります。これを理解せずに運用すると、予想外の高額請求に驚くことになります。
主要な課金方式と相場:
- CPC(クリック課金):
広告が表示されてクリックされるごとに費用が発生。50〜200円/クリック。サイト誘導や購入促進に最適。 - CPM(インプレッション課金):
広告が1,000回表示されるごとに費用が発生。500〜2,000円/1,000回表示。認知拡大に効果的。 - CPV(動画視聴課金):
動画が視聴されるごとに費用が発生。5〜30円/視聴。動画による深い訴求が可能。 - CPA(成果報酬):
コンバージョン(成果)1件ごとに費用が発生。設定により変動。確実な成果獲得を重視する場合に選択。
私たちの経験では、目的に応じた課金方式を選択することで、広告効率を最大2倍まで高められた事例があります。
各プラットフォームの特徴と費用傾向
- Facebook広告:安定した費用対効果
- 最低出稿金額:日額100円から
- 平均CPC:80~150円
- 特徴:実名制による信頼性の高いデータでBtoB向けに最適。私たちが支援したSaaS企業では、リード獲得単価を従来の35%まで削減しました。
- Instagram広告:視覚訴求で高いエンゲージメント
- 最低出稿金額:日額100円から
- 平均CPC:60~120円
- 特徴:20〜30代女性の約70%が利用。美容・ファッション系は特に相性が良く、ストーリーズ広告のCTRは通常広告の2.8倍を記録することも。
- LINE広告:圧倒的なリーチ力
- 最低出稿金額:日額1,000円から
- 平均CPC:100~250円
- 特徴:国内利用率89.8%で全世代にリーチ可能。配信量は多いですが、他SNSより単価が高めなので、ターゲティングの精度が重要です。
- TikTok広告:若年層への影響力
- 最低出稿金額:日額3,000円程度から
- 平均CPC:30~100円
- 特徴:エンゲージメント率が他SNSの2〜3倍。ただし、トレンドの変化が速いため、クリエイティブの更新頻度を高める必要があります。
- YouTube広告:動画による深い訴求
- 最低出稿金額:日額1,000円程度から
- 平均CPV:10~30円(スキップ可能広告)
- 特徴:動画制作費を含めると初期投資が大きいですが、ブランド想起率は非視聴者の3.5倍という高い効果があります。
SNS広告の費用相場はどれくらい?
企業規模別の予算相場と実例
私たちのクライアントデータから、企業規模別の実際の予算相場をお伝えします。
- 小規模企業(従業員10名以下)
- 月額予算:3~30万円
- 主力SNS:Instagram、Facebook
- 平均CPA:3,000〜8,000円
実際の事例として、ある地方の雑貨店のケースをご紹介します。この雑貨店は、月額5万円の予算でInstagram広告を中心に運用。ターゲットを「半径5km以内の25〜45歳女性」に絞ることで、月間50件の新規顧客獲得に成功しています。
- 中小企業(従業員50名以下)
- 月額予算:30~100万円
- 主力SNS:LINE、Facebook、Instagram
- 平均CPA:2,000〜5,000円
私たちが支援した飲食チェーンでは、月額60万円の予算でLINE広告を中心に展開。クーポン配信と組み合わせることで、来店数を前年比150%まで向上させました。
- 中堅・大企業(従業員50名以上)
- 月額予算:100万円以上
- 主力SNS:全SNSを目的別に活用
- 平均CPA:1,500〜3,000円
ただし、重要なのは予算の大小ではなく、効率的な配分です。私たちが失敗した例では、月額200万円の予算を5つのSNSに均等配分した結果、どれも中途半端になり、結果的にCPAが目標の2.5倍になってしまいました。その後、InstagramとFacebookの2つに絞ることで、CPAを目標以下に改善できました。
業界別・季節要因による費用変動
広告費用は業界によって大きく異なります。一般的に、競合が多い業界ほど広告単価は高騰する傾向にあります。
- 競争が激しい業界(単価高):
- 美容・コスメ:CPC150~300円
- 金融・保険:CPC200~500円
- 不動産:CPC180~400円
- 競争が穏やかな業界(単価低):
- 食品・飲料:CPC50~150円
- 教育・学習:CPC80~200円
- 地域サービス:CPC40~120円
私たちが支援した美容クリニックでは、当初Instagram広告でCPC280円という高単価に苦しんでいました。そこで、競合の少ない朝6時〜8時に配信を集中させる戦略に変更。結果、CPC120円まで削減し、同じ予算で2倍以上の集客を実現しました。
- 季節による変動:
- 年末商戦(11〜12月):通常の1.5〜2倍
- 新生活シーズン(3〜4月):通常の1.3〜1.5倍
- 閑散期(1月中旬〜2月):通常の0.7〜0.9倍
この変動を活用し、閑散期に認知拡大、繁忙期に刈り取りを行うことで、年間を通じた広告効率を最適化できます。
予算設定の考え方とシミュレーション例
目標から逆算する予算設計
多くの企業が「予算ありき」で広告を始めますが、正しいアプローチは「目標から逆算」することです。
逆算式予算設計の手順:
- 売上目標の設定:例えば月間売上100万円を達成したい
- 必要な顧客数の算出:客単価1万円なら、100人の新規顧客が必要
- 必要なクリック数の算出:CVR2%なら、5,000クリックが必要
- 必要な予算の算出:CPC100円なら、50万円の広告費が必要
- ROASの確認:売上100万円÷広告費50万円=ROAS200%
この計算により、目標達成に必要な現実的な予算が明確になります。
段階的な予算拡大戦略
いきなり大きな予算を投下するのではなく、私たちが推奨する3段階の予算拡大戦略をご紹介します。
- Phase1:テスト期(1〜2ヶ月目)
- 予算:月5〜10万円
- 目的:勝ちパターンの発見
- KPI:CTR、CVRの把握複数のクリエイティブとターゲティングをテストし、最も効果的な組み合わせを見つける期間
- Phase2:最適化期(3〜4ヶ月目)
- 予算:月20〜50万円
- 目的:効率の最大化
- KPI:CPAの改善テスト期で見つけた勝ちパターンを磨き上げ、無駄を削ぎ落す期間
- Phase3:拡大期(5ヶ月目以降)
- 予算:目標に応じて拡大
- 目的:スケール
- KPI:ROASの維持効率を維持しながら、予算を段階的に増やしていく期間
実際にこの戦略を採用したECサイトでは、最初の月5万円から始めて、6ヶ月後には月100万円の予算でROAS400%を安定的に維持しています。
具体的なシミュレーション例
ケース:地域密着型サービス業(月額予算10万円)ある整体院の実例をもとにシミュレーションします。
- 目標:月20件の新規予約
- 戦略:LINE広告でローカルターゲティング
- 予算配分:
- LINE広告費:8万円
- クリエイティブ制作:2万円
- 想定成果:
- インプレッション:40,000回
- クリック:800回(CTR2%)
- 問い合わせ:24件(CVR3%)
- CPA:4,167円
- 顧客単価:8,000円×24件=192,000円
- ROAS:192%
このように、限られた予算でも適切な設計により、十分な成果を出すことが可能です。
費用対効果を最大化するためのポイント
少額予算でも成果を出す5つの工夫
予算が限られていても、工夫次第で大きな成果を出すことは可能です。
- ターゲティングを極限まで絞る
広く浅くではなく、狭く深く。私たちが支援した美容室では、「半径2km以内の25〜35歳女性、美容に月1万円以上使う層」に絞ることで、CPAを60%削減しました。 - オーガニック投稿との連携
広告だけに頼らず、通常投稿も活用。広告で認知を獲得し、オーガニック投稿でファン化する流れを作ることで、広告依存度を下げられます。 - 配信時間の最適化
競合が少ない時間帯を狙います。早朝(5〜7時)や深夜(23〜1時)はCPCが20〜30%低い傾向があります。 - リターゲティングの活用
新規獲得より、一度サイトを訪れた人への配信の方がCVRは3〜5倍高いです。限られた予算なら、確度の高い層から攻めるのが鉄則です。 - UGCの活用
ユーザーが作成したコンテンツを広告に活用。制作コストを抑えながら、信頼性の高い広告が作れます。
外注する場合のコスト感と選び方
SNS広告を外注する場合、運用代行費用も予算に含める必要があります。
一般的な料金体系:
- 広告費の20%(最も一般的)
- 月額固定(10~50万円)
- 成果報酬型(CPAやROASに応じて)
広告費50万円の場合のトータルコスト例:
- 広告費:50万円
- 運用手数料(20%):10万円
- レポート作成費:3万円
- 合計:63万円
ただし、安さだけで選ぶと失敗します。私たちが見てきた失敗例では、格安の代理店に依頼した結果、「レポートが月1回のみ」「改善提案なし」「クリエイティブの更新なし」という状況に陥り、結果的に成果が出ずに高くついたケースがあります。選定のポイントは、実績の具体性、レポーティングの頻度と質、そして改善提案の有無です。初期費用0円でも、成果が出なければ意味がありません。
まとめ:適切な予算設定が成功への第一歩
SNS広告は月3万円から始められますが、戦略なしに予算を投下しても成果は出ません。重要なのは、目標から逆算した予算設計と、段階的な拡大戦略です。
成功のポイントを改めて整理すると:
- 目的に応じた適切なSNS選択(全部やろうとしない)
- 段階的な予算拡大(いきなり大金を投じない)
- 継続的な改善(データを見て柔軟に調整)
私たちの経験では、最初の3ヶ月を投資期間と捉え、データを蓄積しながら最適化を進めることで、4ヶ月目以降に安定した成果を出すケースが大半です。予算の大小に関わらず、戦略的な運用があれば必ず成果は出ます。この記事を参考に、自社に最適な予算設定を行い、SNS広告での成功を実現してください。適切な予算設定と運用により、SNS広告は必ず投資以上のリターンをもたらすはずです。
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