Instagramの投稿がなぜ「伸びる」のか、あるいはなぜ誰にも見られずに「埋もれてしまう」のか。その違いには、日々刻々と進化を続けるInstagramのアルゴリズムが関係しています。毎日投稿を続けても成果に繋がらず、流行りのリール動画を真似しても再生数が伸びない。多くのアカウント運用担当者が、こうした深刻な課題に直面しています。
今回の記事では、2025年10月時点でのアルゴリズムの最新傾向を、私たちが持つ独自のデータも交えながら整理し、多くの企業が見落としがちな本質と、明日から実践できる具体的な対策を徹底的に解説していきます。
Instagramアルゴリズムの基本構造と目的
まず大前提として理解していただきたいのは、Instagramのアルゴリズムは一つではないという事実です。フィード、ストーリーズ、リール、そして発見タブ。それぞれに最適化された、全く別のアルゴリズムが存在しています。なぜなら、それぞれの機能でユーザーが求める体験が異なるからです。
例えば、フィードやストーリーズは、すでにフォローしている親しい友人や好きなブランドの「今」を知るための場所です。一方で、発見タブやリールは、まだ知らない面白いコンテンツや新しい興味との「出会い」を求める場所です。
このように目的が違うため、評価される投稿も当然変わってきます。しかし、その全てに共通するたった一つの絶対的な目的があります。それは、「ユーザーに1秒でも長く、Instagramというアプリの中に滞在してもらうこと」。そして、そのために最も重要視されるのが、投稿とユーザーの「関連性」なのです。あなたの投稿が、あるユーザーにとってどれだけ価値があり、興味を引くものか。それを様々なシグナル(行動データ)から判断し、表示の優先順位を決めているのがアルゴリズムの基本構造です。
2025年の最新トレンド | アルゴリズムはここが変わった
では、その「関連性」を判断する基準は今、どのように変化しているのでしょうか。2025年現在の最新トレンドとして、企業アカウントの担当者様が絶対に押さえておくべき3つの大きな変化を解説します。
第一に、「滞在時間」が新たな重要指標として加わったことです。従来から重視されてきた「いいね」や「シェア」といったエンゲージメントは引き続き重要な評価基準ですが、これに加えて、ユーザーがあなたの投稿をどれくらいの時間見たか、プロフィールに飛んで他の投稿も見たか、といった「投稿に費やされた時間の長さ」が新たな重要指標として組み込まれています。つまり、瞬間的な反応だけでなく、ユーザーの深い関心度を測る指標が追加されたということです。
第二に、リール動画、特に縦長フォーマットの優遇です。これはTikTokへの対抗策としてInstagramが最も力を入れている機能であり、新規フォロワー獲得の最大のチャンスと言えます。なぜなら、リールはフォロワー以外にも広く表示されるよう設計されているからです。
そして第三に、「保存」と「DMでのシェア」という、より深いアクションの重要性が増していることです。従来の「いいね」は瞬間的な好意を示すものですが、「保存」は「後でまた見返したい」という再接触の意思表示であり、「DMでのシェア」は親しい友人への個人的な推奨を意味します。これらは、ユーザーがその投稿に高い価値を感じている明確なシグナルなのです。
この変化は、多くの企業が目指すブランド認知度の向上という目標を達成する上でも、極めて重要な意味を持ちます。もはや、ただ投稿が多くの人の目に触れる(インプレッション)だけでは、真の認知向上とは言えません。アルゴリズムは「保存」や「シェア」といった深いアクションを「質の高いコンテンツの証」と判断し、さらに多くのユーザーへ投稿を拡散させます。
つまり、ユーザーが思わず保存・シェアしたくなるほどの価値を提供すること自体が、結果としてブランドの認知を効率的かつ効果的に拡大させるための、最も重要な戦略となっているのです。
アルゴリズムに好かれる投稿の作り方
こうした変化を踏まえ、私たちは具体的にどのような投稿を作っていくべきなのでしょうか。ここからは、多くのクライアント様を成功に導いてきた実践的なノウハウを共有します。
まず、リールとフィード投稿は、その目的によって明確に使い分けることが不可欠です。新規ファンを獲得したいなら「リール」、既存フォロワーとの関係を深めたいなら「フィード」が基本です。リールでは、冒頭の「最初の3秒」で心を掴み、ユーザーの指を止めさせることが全てです。ここで離脱されれば、その動画の評価が上がることはありません。
一方で、フォロワーとの関係維持に直結するのがストーリーズの活用です。私たちが実施した自主調査『SNS利用実態調査』〔実査:2025年3月/オンライン〕によれば、Instagramで最もよく利用される機能は「ストーリーズ」(50.8%)でした。

日常的なコミュニケーションの場としてアンケート機能や質問BOXなどを活用し、フォロワーとの接点を持ち続けることが、アカウント全体の活性化に繋がります。
実際に私たちが支援した、ある化粧品メーカーの事例ですが、プロのカメラマンが撮影した広告感の強い写真投稿から、あえてスマートフォンで撮影したような日常に馴染む「SNS向けの画像」に切り替え、リール動画で使用感をアピールするという改善を行いました。その結果、保存数は200%UP、いいね数も150%UPするという劇的な成果が出ました。これはまさに、ユーザー目線に立ち、アルゴリズムが評価する「価値あるコンテンツ」を提供できた好例です。
企業アカウントがやるべき最新アルゴリズム対策
最後に、これらのトレンドを踏まえて、あなたの会社のアカウント運用をどう見直すべきか、具体的なアクションプランを提示します。
まずは、投稿設計そのものの見直しです。ユーザーの滞在時間を延ばすために、1枚の画像で完結させるのではなく、複数枚の画像を使ってじっくり読ませる「カルーセル投稿」を増やす。リール動画では、テキスト情報を多めに入れて何度も見返してもらえるように工夫する。こうした「滞在時間」を意識した設計が求められます。
次に、KPI設計のアップデートです。もはや、「いいね」の数を追いかける時代は終わりました。これからは「保存数」「プロフィールへのアクセス数」「ウェブサイトのクリック数」といった、ビジネス成果により直結する指標をKPIとして設定し、追いかけるべきです。私たちの調査(『SNS外注利用実態調査』〔実査:2025年1月/オンライン])でも、SNSアカウント運用の目標値として「ウェブサイト・ECサイトへの流入数」が34.3%で1位となっています。
| 1位 | ウェブサイト・ECサイトへの流入数 | 34.4% |
|---|---|---|
| 2位 | エンゲージメント率(いいね・コメント等) | 33.8% |
| 3位 | フォロワー数 | 32.2% |
| 4位 | インプレッション数 | 28.1% |
| 5位 | 売上金額 | 24.5% |
| 6位 | 実店舗への集客数 | 18.9% |
| 7位 | 採用への応募数 | 10.3% |
この数字こそが、「売るための運用」に繋がるのです。
そして、スパム認定を避けるための運用ルールも重要です。無関係なハッシュタグの乱用や、短時間での過剰な「いいね」回りは、アルゴリズムからペナルティを受けるリスクがあります。小手先のテクニックに頼るのではなく、誠実なコミュニケーションを心がけることが、結果的にアカウントを守ることになります。
まとめ
Instagramのアルゴリズムは、これからも間違いなく変化し続けます。しかし、その変化の根底にある「ユーザーが本当に見たい、価値ある情報を届ける」という本質は決して変わりません。
目先のトレンドや短期的な数字に一喜一憂するのではなく、あなたのブランドが顧客に提供できる独自の価値は何かを突き詰め、それを誠実に伝え続けること。そして、私たちのようなプロのSNS運用代行の知見も活用しながら、データに基づいて柔軟に運用を改善していくこと。これこそが、進化し続けるアルゴリズムを攻略する、唯一にして最強の対策なのです。
SNS運用代行ならクロス・プロップワークス
クロス・プロップワークスでは、「SNS運用代行・コンサルティングサービス」を提供しております。プライム市場上場のクロス・マーケティンググループの一員だからこそできる、マーケティング業務のプロ集団が、貴社のSNS運用をリードさせて頂きます。
クロス・プロップワークスでは、SNS運用代行サービスを提供しております。プライム市場上場のクロス・マーケティンググループの一員だからこそできる、マーケティング業務のプロ集団が、貴社のSNS運用をリードさせて頂きます。
運用目的に応じて採用方針を決定
SNS運用の目的を明確にした上で、運用方針や投稿内容の方向性を決定します。
・SNS運用の目的に沿ったkpiの設定
・ターゲット、ペルソナの設定
方針に沿った運用代行
運用方針に沿った投稿記事の作成から投稿、ユーザー対応などの日々の運用業務を代行します。
レポートをもとに内容を改善
月次レポートをもとに次回の投稿内容の改善を行います。
・月次オンラインMTGの実施
・アカウント活性化施策
気になることがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください!

