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企業のSNSキャンペーン成功事例!フォロワーを着実に増やすプロの施策~「バズ」は狙わない。データと設計で実現する、ファンと繋がるキャンペーンの裏側~

企業のSNSキャンペーン成功事例!フォロワーを着実に増やすプロの施策

企業のSNS活用が当たり前となった今、ただ情報を発信するだけでは、なかなかフォロワーは増えません。多くのご担当者様が「キャンペーンを打っても一過性で終わってしまう」という悩みを抱えています。では、どうすれば一過性で終わらず、将来のファンにつながる質の高いフォロワーを増やせるのでしょうか。この記事では、SNSキャンペーンの成功事例を分析し、その裏側にあるプロの視点と考え方を紹介します。

企業向けSNSマーケティング戦略についてより包括的な情報をお求めの方は、企業向けSNSマーケティング戦略の立て方をご確認ください。
企業向けSNSマーケティング戦略の立て方

目次

SNSキャンペーンが企業に与える影響とは?

SNSキャンペーンの目的と聞くと、多くの方が「フォロワーを増やすこと」を思い浮かべるかもしれません。しかし、これはあくまで中間目標の一つです。優れたキャンペーンは、単に数字を増やすだけでなく、企業のマーケティング活動全体に多面的な良い影響を与えます。

そもそも、企業がSNSを活用する真の目的は何でしょうか。弊社の調査データによると、多くの企業がSNS運用に期待しているのは、「①ブランド認知度の向上」「②売上や集客の増加」「③顧客とのエンゲージゲージメント強化」の3つです。そして、SNSがきっかけで商品を購入した経験がある消費者は約3割にのぼり、SNSが購買行動に直接的な影響を与えていることも分かっています。

つまり、SNSキャンペーンの本当の価値は、ユーザーにブランドを知ってもらい(認知)、興味を持ってもらい(理解)、最終的に購買やファン化につなげる(行動・関係)という一連の流れを作り出す点にあります。キャンペーンは、この流れを加速させるための起爆剤なのです。短期的なフォロワー獲得だけでなく、将来の顧客となる質の高いフォロワーと長期的な関係を築くための重要な第一歩と捉える視点が、成功への鍵となります。

フォロワーが増えた!実際の成功キャンペーン事例3選

では、具体的にどのようなキャンペーンが成果を上げているのでしょうか。ここでは、ユニークな切り口で成功した3つの事例を、成功の定義とあわせて分析します。

事例①:オルビス株式会社「#ここちを美しく。」キャンペーン

  • 施策:スキンケアブランドのオルビスは、X(旧Twitter)で「#オルビス6000フォロワーありがとう」と題し、フォロー&リポストで応募できるプレゼント企画を実施。その際、「お祝いコメントもほしいナ!」と親しみやすい表現で、ユーザーからのコメント投稿(リプライ)を促しました。
  • 成果(成功の定義)ポジティブなUGC(ユーザー生成コンテンツ)の創出による、エンゲージメント向上とブランドイメージ強化。
  • 成功要因:このキャンペーンの巧みさは、単なるプレゼント企画で終わらせなかった点にあります。「お祝いコメントもほしいナ!」という一言を添えることで、ユーザーからの祝福や応援といったポジティブなUGCを自然な形で引き出すことに成功しました。これにより、機械的な応募だけでなく、ブランドへの温かいメッセージが集まり、企業とファンの良好な関係性を可視化することができました。

キャンペーンにおけるUGC創出の鍵となるハッシュタグの戦略的な活用方法については、「ハッシュタグを活用してSNS運用を成功させる方法」で詳しく解説しています。

事例②:吉祥寺エクセルホテル東急「春のお花見キャンペーン」

  • 施策:Instagramの公式アカウントを「フォロー」し、キャンペーン投稿に「いいね!」をするだけで、抽選でペア宿泊券が当たるという、非常に参加しやすいプレゼントキャンペーンを実施しました。
  • 成果(成功の定義)参加ハードルの低さによるキャンペーン参加者数の最大化と、それに伴う認知度の急速な向上。具体的には、2,000件以上の「いいね!」を獲得し、短期間で高いリーチ数を達成しました。
  • 成功要因:このキャンペーンの最大の成功要因は、参加のハードルを極限まで低く設定した点にあります。「フォロー&いいね」という、ユーザーにとって最も手軽なアクションだけで応募が完了するため、多くの参加者を集めることに成功しました。春の行楽シーズンに合わせた「お花見」というテーマと、「宿泊券」という魅力的な景品がユーザーの関心を引き、結果としてフォロワー増加とホテルの認知度向上に大きく貢献しました。

事例③:WAOPLUS「チョコで肌荒れしたら」キャンペーン

  • 施策:バレンタインの時期に「チョコで肌荒れしたらWAOPLUS」というユニークな切り口で、スキンケア製品のプレゼントキャンペーンを実施しました。
  • 成果(成功の定義)特定の悩みに寄り添う共感性の高い企画による、ターゲット層への深いブランドメッセージの浸透。
  • 成功要因:多くの人が経験するであろう「チョコレートを食べ過ぎて肌が荒れる」という具体的な悩みに寄り添い、その解決策として自社製品を提示した点です。季節イベントのポジティブな側面だけでなく、ネガティブな事象に着目するという逆転の発想が、ユーザーの強い共感を呼び、記憶に残るキャンペーンとなりました。これは、ただ商品を宣伝するのではなく、ユーザーの状況や感情を深く理解したからこそ生まれた企画と言えるでしょう。また当選率UPの方法がスライドの最後に掲載されており、投稿をすべて見てもらう工夫をしているのも取り入れたいポイントです。

成功キャンペーンに共通する3つの要素

これらの成功事例を分析すると、単なる思いつきや偶然ではなく、明確な設計思想に基づいていることがわかります。成功するキャンペーンには、主に3つの共通要素が存在します。

要素具体的なアクションなぜ成果に繋がるのか
①参加ハードルの低さ・「いいね&フォロー」だけで応募完了
・コメントやハッシュタグ投稿を条件とする
参加への心理的・時間的コストを最小化し、キャンペーンの母数を最大化します。より多くのユーザーが気軽に参加することで、初期の勢いがつきやすくなります。
②拡散力の高さ・ユーザーが「自分の言葉で語りたくなる」UGC企画
・思わず友人に教えたくなるような有益情報や意外性のあるコンテンツ
ユーザー自身が広告塔となることで、企業発信にはない信頼性とオーガニックな広がりを生みます。友人からの共有は広告よりも信頼されやすいです。
③ユーザーとの接点作り・ユーザーの投稿(UGC)を公式アカウントで紹介する
・コメントや質問に丁寧に返信する
・アンケートやクイズで双方向のやり取りを行う
一方的な情報発信ではなく、対話を通じてユーザーを「参加者」から「コミュニティの一員」へと昇華させます。これにより、ブランドへの愛着(ロイヤリティ)が格段に向上します。

これらの要素を意識的にキャンペーンに組み込むことで、再現性高く成果を狙うことが可能になります。

ユーザーとの接点作りやコミュニティ形成に効果的な動画マーケティングの成功事例は、「SNS動画マーケティング成功事例!動画を活用したSNS戦略」で紹介しています。

成果につながるSNSキャンペーンの企画ポイント

最後に、明日からでも使えるキャンペーン企画のチェックポイントを、プロの視点からお伝えします。ここで重要なのは、多くの担当者の方が誤解しがちな「SNSの常識」を一度見直すことです。

第一に、SNSは成果がすぐに出るものではありません。キャンペーンで一時的にフォロワーが増えても、その後の関係構築がなければ意味がありません。

第二に、「バズらせる」ことより「じわじわ信用を築く」ことが重要です。私たちの調査でも、消費者が商品を購入するきっかけは、一過性のバズではなく、日頃からフォローしている信頼できるアカウントからの情報であることが多いと分かっています。

ここまでの事例は、あくまで関係構築の入り口であるフォロワー獲得の成功例です。しかし、本当に重要なのはその先です。この「不都合な真実」を踏まえた上で、キャンペーンを企画する際には、以下のポイントを必ず押さえるようにしてください。

  • 明確な目的設定:「フォロワーを増やす」の先にある、本当の目的は何でしょうか。ECサイトへの流入増か、ブランドイメージの向上か。この目的によって、企画内容や評価指標(KPI)は全く異なります。戦略的なSNS運用代行サービスでは、必ずこの目的設定から逆算して企画を立案します。
  • 深いターゲット理解:誰に、何を届けたいのかを徹底的に考え抜くことが成功の鍵です。例えば「30代女性」といった大雑把な括りではなく、その人が「どんな悩みを抱え」「どんな価値を求めているのか」まで掘り下げて初めて、心に響く企画が生まれます。
  • あえて「やらないこと」を決める:成果を出すために、私たちはあえてやらないことがあります。例えば、ブランドと無関係な高価な景品(ギフト券など)を使ったキャンペーンは行いません。なぜなら、それは本当のファンではなく、「懸賞マニア」を集めるだけで、キャンペーン終了後のエンゲージメント低下やフォロー解除につながる可能性が高いからです。参加方法が複雑すぎる企画も、参加率が著しく低下するため避けるべきです。

キャンペーン以外の通常投稿の質と効率を高めるためには、「企業のSNS投稿フォーマット活用術!テンプレートで簡単運用」が役立ちます。

これらのポイントを一つひとつ丁寧に設計していくことが、再現性の高い成功への道筋です。もし、自社だけでの企画立案や運用に限界を感じている場合は、専門的な知見を持つSNS運用代行サービスに相談するのも有効な選択肢の一つです。

まとめ:ファンと繋がるキャンペーンは「設計」から生まれる

質の高いフォロワーと出会い、ビジネスの成果につなげるSNSキャンペーンは、「バズ」という偶然の産物ではなく、「設計」という必然の結果です。成功事例に共通する「参加のしやすさ」「拡散したくなる仕掛け」「ユーザーとの接点」といった工夫を自社の企画に取り入れ、戦略的に運用すれば、フォロワー増加はもちろん、その先のブランドへの愛着や売上への貢献といった、本質的な成果が見込めます。ぜひ、この記事をヒントに、貴社のSNS施策を見直してみてください。

キャンペーン施策を含む、SNS運用代行のより幅広い成功事例について知りたい方は、「SNS運用代行の成功事例5選!売上・フォロワー増加・ブランド強化の実例」もご参照ください。

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